今日は、『子どもの問題 いかに解決するか』という本を紹介します。
著者は魚住絹代さんで、岡田尊司先生が監修をされています。
魚住さんは、法務教官として非行少年の回復に
12年間携わったあと、小中高の学校現場で10年ほど、
教師が対処に困った子どもの問題を専門に
扱ってこられた経歴をお持ちの方です。
『子どもの問題 いかに解決するか』には、
魚住さんが現場で観て体験された非行やいじめの生々しい話や、
子どもを回復に導くために実践されてきた内容が
いくつも紹介されています。
私は、本書を読みながら、改めてこう思いました。
技法も大切ですが、援助する人間の心の部分~人間性が
すごく大切なんだなと。
例えば、この部分を読んで、そう思いました。
長年、罪を犯してしまった子どもたちに向き合う中で学んだことの一つは、加害者が自分の非に気づけるのは、自分の被害者の部分を受け止められてからだということだ。
それは、いじめでも同じである。
●魚住絹代著『子どもの問題 いかに解決するか』
(PHP新書/2013/P205)より引用
これは、「ああ、子どもの被害者の部分を受け止めればいいんだな」
というふうに、簡単に片付けられることではないと思います。
きっと子どもからは、最初、様々な形の抵抗があることでしょう。
それは、子どもが、「この人は、自分のことを尊重してくれる。安心できる」
と感じられるまで続くと思います。
子どもが自分の「被害者の部分」を口にしてくれるのは、
そのあとのことになるでしょう。
そうして、子どもが「被害者の部分」を話してくれる段階になったら、
子どもの辛かった気持ち、悲しかった気持ちなどを受け止めて共感します。
そこではじめて、子どもは自分の非と向き合えるようになると思います。
この流れを実現するには、援助する人間の器、包容力、寛大な心などの
人間性がすごく大切ですね。
間違っても、ろくに子どもの話を聞きもしないで、
子どもの「非」ばかりを捉えて責めたりしてはいけないですね。
カウンセラーは、技法や知識ばかりではなくて、人間性を含めて
総合的に成長していく必要があるんだと改めて思いました。
(もちろん、技法や知識の勉強を続けていくことは欠かせません)
心して、ゆきます。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!