今日は、河合隼雄先生の本、
『カウンセリングの実際問題』の紹介と
読んだ感想などを書いていきます。
この本は、名著と呼ばれる本を多数書いておられる
河合先生の作品の中でも、
カウンセラーを目指す者にとっての「必読書」との呼び声高い本です。
本書には、カウンセラーにとって大切な内容が、
最初から最後までびっしりと書かれています。
私にはそれが、まるで河合先生からの
「しっかり学びなさい」というメッセージのように感じられて、
読みながら、身が引き締まる思いがしました。
とはいえ、この本も河合先生の本だけあって、
非常に読みやすいです。
読みやすくて、内容が濃くて、河合先生らしいエッセンスが
凝縮されているこの本。
ひよっこの私が言うのも何ですが、
私もやはり「必読書」だと思いました。
ここで本書より、カウンセラーにとって、
ものすごく大事なことが書かれている部分を引用します。
われわれはクライエントに好かれることや感謝されることを目的としてはいないのです。
いってみれば、クライエントができるだけ早くわれわれのもとを立ち去っていってくれることを目的としているのです。
深く深く交わった人が自分から離れてゆく悲しみに耐え、その意味を知ることのできない人はカウンセラーになれません。
●河合隼雄著『カウンセリングの実際問題』(誠信書房/1970/P221)より引用
カウンセラーは、自分の欲求を満たすために
クライエントを利用してはいけません。
これは、そう心がければ、できるものではなくて、
カウンセラー自身が抱えている
心の問題・愛着の問題を解消することで、
はじめて実現できることだと思います。
カウンセラーを名乗る人の中にも、
「心(愛着)の問題が解消できていないのでは?」と感じさせられる人を、
ネット上で見かけることがあります。
(強い対人操作性や依存・粘着性、強すぎる自己愛、
自分を満たすためのカウンセリングなど……)
そんなとき私は、
「この人のクライエントさんは、一体どんな思いをされるのだろうか」
と、心配になります。
そういう私も、今でこそ、心の中のごちゃごちゃが
スッキリ解消されて、特に意識しなくても、
安定・中立の状態でいられるようになりましたが、
おそらく5~6年前の私には、まだカウンセラーになる資格は
無かったと思います。
15年ほど前にSADが悪化(8年ほど前に克服済み)してから、
自分の内面と向き合い続けました。
そして、パラダイム・シフトとも言えるほどの変容を経て、
以前では考えられなかったくらい
心の中が、静かでニュートラルになりました。
時々、
「もっと若い頃からカウンセリングの勉強をしていたら、
もっと早くカウンセラーになれたのになぁ」
という思いが頭をよぎりますが、
振り返ってみると、私の場合、
今、カウンセラーになるというこのタイミングが正に最短で、
これまでの長かった道のりは、全て必要なものだったんだということが、
はっきり分かります。
まるで、あらかじめ筋書きが用意されていたような気さえしてきますが、
調子に乗ったり、傲慢になってはいけないですね。
まだまだ発展途上であることや、
きっと生きている限り発展途上であり続ける、ということを自覚しながら、
自分を磨いていかなくてはと思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!