パニック発作の「3つの起こり方」と「予期不安」

私の専門の一つであるパニック障害に関する本、
『パニック障害 治療・ケアに役立つ実例集』
を久しぶりに読み返して復習しました。

今日は、その本の簡単な紹介と、
「パニック発作の3つの起こり方」などについて書いていきます。

 

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『パニック障害 治療・ケアに役立つ実例集』は、
貝谷久宣先生が監修されている本です。

パニック障害の18の症例と、
それについての解説が載っています。

 

特に珍しくて新しい治療法などが書かれているわけではありませんが、
パニック障害に関する基本やポイントが
分かりやすくまとめられています。

薬の情報と、その他の心理療法の情報が、
バランスよく掲載されていると感じました。

 

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ここで、本書より「パニック発作の3つの起こり方」について
書かれている部分を引用します。

(「ケース1の晴美さん」という部分は、スルーしてください)

 

第1は、ケース1の晴美さんにみられるように、状況的な引きがねが何もなく、本人も予期していないときに、「不意(誘因なし)に起こるパニック発作」で、パニック障害でよくみられる典型的なタイプです。

第2は、なんらかの引きがねがあって起こるものです。

恐怖をいだいている対象に直面したり、それを予期して緊張が最高潮に達するときにあらわれるもので、ある状況に限って症状を起こすので「状況結合性パニック発作」と呼ばれます。

第3は、第1と第2の中間で、ある特定の状況にいるとき起こりやすいのですが、起こらないこともある、というような場合で、「状況に依存しやすいパニック発作」といいます。

●貝谷久宣監修『パニック障害 治療・ケアに役立つ実例集』
(主婦の友社/2008/)

 

第1が、「不意(誘因なし)に起こるパニック発作」。

これが最も典型的で、パニック障害の患者さんの40%に見られる
「睡眠時の発作」もこれに含まれます。

 

第2が、特定の状況で発作が起こる「状況結合性パニック発作」。

第3が、第1と第2の中間の「状況に依存しやすいパニック発作」。

 

実は、私は社会不安障害に悩んでいた当時、
会社での朝礼当番の時などの極度の緊張場面に限り、

心臓のドキドキや手などの震え、息のつまり、
腹部の不快感、頭がフラフラして失神しそうな感じなどの
発作の状態に陥っていました。

 

上の第1~第3の中でいうと、
第2の「状況結合性」に当てはまりますね。

ところが私の場合、朝礼当番に挑む前に、
「上手く話せなくて、人からバカにされるのではないか」
といった、他人の視線や評価に対しての「予期不安」はありましたが、
発作そのものに対する予期不安はありませんでした。

 

ですので、私の場合は、
発作はあったけれども「パニック障害」には該当しません。

あくまで「社会不安障害」でした。

 

「パニック障害」の場合は、

「また発作が起こってしまうのではないか」
「発作によって死んでしまうのではないか」
「助けてくれる人がいないのではないか」
「人前で気を失ったらどうしよう」

……といった、発作そのものに対する
「予期不安」のあるのが特徴です。

 

そして、さらにいえば、
そういった発作そのものに対する「予期不安」が、
発作が起こりそうな場所や状況を回避したりする
「広場恐怖」につながるケースが多いです。

 

発作の症状が起こっている方、
あなたの場合は、いかがでしょうか?

こんな風に、「自分の中で何が起こっているのか?」
について振り返ってみることも、
症状に対する理解を深め、対策していく上での助けになりますので、
よろしければ参考にしてみてください。

 

※対策の例
(パニック障害)パニック発作に慣れる、発作時の対処法を身につけるなど。
(社会不安障害)苦手な緊張場面に段階的に挑み、自分を慣らしていくなど。

※対策に関しては、医師やカウンセラーに相談されるのも
いいと思います。

 

今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!