子どもの頃に、親との愛着形成がうまくいかず
親が自分の「安全基地」とはならなかった場合、
見捨てられる、嫌われているという不安を
強く感じやすい「不安型愛着スタイル」や
他人との間に親密さを求めない「回避型愛着スタイル」
が確立されやすいです。
※スタイルには、障害レベルではない”傾向”も含みます。
その不安や回避の傾向を軽減し、
愛着スタイルをより安定したものにしていくためには、
大人になってからでも
「安全基地」を確保することは、とても有効なことです。
今日紹介する岡田尊司先生の本、『回避性愛着障害』にも
「安全基地」の重要性がしっかり解説されていました。
ここで、「安全基地」を分かりやすく簡潔にいうと……
安全基地とは、安心感を回復させてくれる存在である。
ひと言で言えば、どんなときであれ、「大丈夫だよ」と言ってくれる存在である。
●岡田尊司著『回避性愛着障害』(光文社新書/2013/P233)より引用
※「安全基地」は、もともと愛着理論の本家であるボウルビィ先生が
しきりに説いておられる考え方です。
自分の安全が守られて、安心することができて、
はじめて相手に心を開くことができます。
そこから回復のプロセスが始まります。
ちなみに、「安全基地」の役割は、
カウンセラーが担うこともあります。
カウンセリング関係という枠の中で、
クライエントさんに、その関係が
安心できる「安全基地」であると感じてもらうこと。
そのために、カウンセラーとして、
クライエントさんに、どのように関わっていくかを
その時々のケースの中でしっかり考えながら
実践していきたいと思います。
ここで、本書『回避性愛着障害』の内容を
何となくでもつかんでいただくために、
各章のタイトルを並べます。
第一章 新たな「種」の誕生!?
第二章 回避型愛着と養育要因
第三章 社会の脱愛着化と回避型
–近代化、過密化、情報化がもたらしたもの
第四章 回避型の愛情と性生活
第五章 回避型の職業生活と人生
第六章 回避の克服
第七章 愛着を修復する
「対人関係を回避しがちな自分を何とかしたい」
という方に、良いヒントを与えてくれる本であり、
カウンセラーの勉強用としても
優れた本だと思います。
また、巻末には「愛着スタイル診断テスト」が付いており、
このテストだけでも大きな価値を受け取れます。
テストは、45問の設問に答えることで、
自分がどの愛着スタイルに当てはまるのかが
診断できるものです。
※病気・障害の診断ではなくて、あくまで愛着スタイルの判定です。
私も早速テストをやってみました。
本書のテストの愛着スタイルには、
「安定型」「安定-不安型」「安定-回避型」
「不安型」「不安-安定型」「回避型」
「回避-安定型」「恐れ・回避型」「未解決型」
の9種類あるのですが、私の判定は「安定-回避型」でした。
これは、
「愛着回避の傾向がみられるが、全体的には安定したタイプ」
ということです。
人と会っていても楽しいし、一人でいても楽しめる。
ベタベタし過ぎる関係を望まず、
一人の時間や自由であることも大事にする。
私のそういう部分が表れた結果で、
自分でも納得できます。
ご自分の愛着スタイルに興味のある方は
ぜひ本書のテストをやってみてください。
自己理解を深められると思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!