今日は、
『マインドフルネス最前線』という本を紹介します。
著者は、香山リカ先生。
香山先生は、ネット上で行動が取り上げられたり
非難されたりすることもある先生ですが、
私は中立的な立場で、本への純粋な興味から読んでみました。
自分の中に起こった反応や感情に対して評価せず、
ただそのままを眺めたり受けとめたりする
「マインドフルネス」。
私は、この技法を積極的に活用している専門家の一人です。
様々な角度から「マインドフルネス」を
考察するための手段の一つとして、
本書を読んでみることにしました。
『マインドフルネス最前線』では、
4名の先生方が登場して、香山先生と対談されています。
その4名の先生方とは……
哲学者 永井均先生
初期仏教長老 アルボムッレ・スマナサーラ先生
宗教人類学者 永沢哲先生
診療内科医 熊野宏昭先生
異なる分野の先生方のお話が収録されていますので、
私としては、いつも(臨床的な視点)とは違った視点から
「マインドフルネス」を眺めることができました。
例えば、「物事をありのままに見る」という意味の
ヴィパッサナー瞑想(仏教)と、それを現代風にアレンジした
「マインドフルネス(瞑想)」の違いや関連性などは、
大変参考になりました。
それに、この部分にも興味を惹かれました。
(ヴィパッサナー瞑想では)見たら「見た」ところで止まりなさい。
聞いたら「聞いた」ところで止まりなさいという基本的なフォーマットがある。
それを人間にできるように、いろいろバージョンを変えて変えて、実践させているのです。
見たら「見た」だけで止まりなさいといっても、仏教の歴史の中で、これを聞いてちゃんとできたのはたった一人だけなのです。
●香山リカ著『マインドフルネス最前線』(サンガ新書/2015/P117)
アルボムッレ・スマナサーラ先生の言葉より引用
見たら「見た」ところで止まりなさい。
(何か思考が生まれたらすぐに止まりなさい)
例えば私がリンゴを見て、
瞬時に「あ、リンゴだ!美味しそう!」と思った瞬間、
基本的なフォーマットから外れていることになります。
見たら「見た」ところで止まること。
すごくすごく難しいですね。
でも、それができたのは仏教の歴史の中でただ一人とのことなので、
むしろできないほうが普通ですね(この部分は、小さな声で… 笑)
ヴィパッサナー瞑想の基本フォーマットを
習得していない私ではありますが、クライエントさんに
不安障害を克服していただくための取り組みの一つとして、
「マインドフルネス」はこれからも活用していきます。
明日も開催するあるがままグループセラピーでも、
「マインドフルネス」を取り入れています。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!