不安障害関連の書籍を多数出版されている
貝谷久宣先生監修の本、
『パニック症(パニック障害)の人の気持ちを考える本』を読みました。
今日は、本書の簡単な紹介と
「発作時の恐怖や不安」について書いていきます。
本書は、パニック症でお悩みの方や、その周囲におられる方向けの本です。
・パニック症の症状
・発症の原因
・合併(併発)症
・経過と心がけ
……などについて、分かりやすくまとめられています。
イラストや図解付きで、文章も要点が簡潔にまとめられていますので、
とても読みやすいです。
治療の具体的内容については、
簡単な説明のみで省略されている感じを受けますが、
その分読みやすく仕上がっています。
「自分を悩ませているパニック症というものについて、
もっと深く知りたいけれど、長い文章は読みたくない」
という方にオススメです。
また、自分の症状の辛さを分かってもらうために、
家族に読んでもらう本としても適していると思います。
ここで、本書の1章より「発作時の恐怖や不安」について
書かれているところを引用します。
発作時の不安や恐怖
発作時にわき起こる恐怖や不安とは、下記のようなものです。
「錯乱の恐怖」
気が変になって制御できなくなり、自分や他人を傷つけそう
「死の恐怖」
心臓が止まったり、呼吸ができなくなったりして、死ぬかも
「いいようのない不安」
心の底からわき起こる、理由のない、形容しがたい不安、恐怖
●貝谷久宣監修『パニック症(パニック障害)の人の気持ちを考える本』
(講談社/2015/P12)より引用
パニック症は体の臓器の病気ではありませんので、
発作が出たとしても死には至りません。
それでも、自分で自分のことを制御できなくなるような不安や恐怖は、
とてつもなく大きなもの。
しかも、パニック発作はいつ起こるか分かりません。
リラックスしているときに、突然不安がわき起こり、
発作が起きることもよくあります。
寝ている間に発作が起きることもあります。
いつ襲ってくるのか分からない、とてつもなく怖いものがある。
強い「予期不安」を抱いても、仕方のない状態だと思います。
※予期不安:「次の発作がいつ起きるか、起きたらどうしよう」という不安
外出することが怖くなったり、できなくなったりしたとしても、
仕方のない状態だと思います。
まずは、その辛さを身近な人に理解してもらいたいですね。
『パニック症(パニック障害)の人の気持ちを考える本』は、
そういったときに「この本読んで」と渡しさえすれば、
自分の代わりに辛さを伝えてくれる本だと思います。
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ここから先は、パニック症でお悩みの方に向けてのメッセージ。
どうか、お1人で悩まずに
カウンセラーや精神科医など専門家の助けを借りてくださいね。
不安や発作に耐えられないような場合には、
(場合によっては)薬の力を上手く活用することも必要です。
(いずれ、薬を減らして手放すことも視野に入れながら)
そして、カウンセリングや認知行動療法などで
心の面から取り組んでいくことも大事です。
(こちらが再発防止を含めた根本的な取り組みになります)
いずれにしても、1人で無理しすぎないようにしてくださいね。
なるべく早く、専門家に相談してください。
それぞれの場所で、いい専門家はいると思いますが、
私もいい専門家でいられるように精進していきます。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!