今日は、貝谷久宣先生の本、
『新版 不安・恐怖症 パニック障害の克服』の紹介と、
本書から学んだ「離人感」という症状について書いていきます。
この本は、パニック障害や、パニック発作を伴う不安障害及び恐怖症の
患者さんと、そのご家族の方々に向けて書かれた本です。
パニック障害やパニック発作の種類、症状、経過、原因、治療法など
多数の症例とともに、とても分かりやすく解説されています。
内容が深いので、詳しく知りたい方にお勧めしたい一冊です。
本書には、貝谷先生が、ご自身のクリニックで集計された貴重なデータが
多数載せられています。
実際のクリニックで集計されたデータは、
よくある海外から持ってきたデータなどとは違って、
身近に感じることができ、イメージがしやすかったです。
例えば、貝谷先生のクリニックで集計された
「パニック発作症状の種類と頻度」(n=539)というデータが載せられています。
データの中の症状を、発症頻度の高いものから順に抜粋すると……
心悸亢進 89%
呼吸困難 74%
死の恐怖 55%
発狂恐怖 52%
発汗 49%
めまい 49%
震え 48%
窒息感 47%
吐き気・腹部不快感 33%
離人感 32%(他に12症状が記載)
●貝谷久宣著『新版 不安・恐怖症 パニック障害の克服』
(講談社/2005/P49図3)より抜粋
※心悸亢進(しんきこうしん):強いドキドキ感のこと
パニック発作と一言で言っても、実に様々な症状がありますね。
そして、それらの症状は、同時に、色々な組み合わせで表れます。
データ記載の症状の中で、私が特に気になったのが
上位から数えて10番目に書かれている「離人感」です。
私が過去に、社会不安障害による発作を体験したときには
「離人感」という言葉から連想できる症状は表れませんでした。
なので、私にとっては一体どんな症状のことを指すのか
イメージがしにくかったのですが、
ちょうど本にその説明が書かれていました。
「離人感」は、自分の行動や思考を感じる力が弱まった状態です。
「自分が自分ではない感じ」、「自分が行動しているはずなのに夢みたいな感じ」、「自分のこころやからだを、もう一人の自分が外からながめている感じ」、「自動人形になった感じ」と訴えます。
また、症状がかたちを変えて、「意識がなくなりそうだ」、「孤独感におそわれる」と訴える人もいます。
●貝谷久宣著『新版 不安・恐怖症 パニック障害の克服』
(講談社/2005/P46)より引用
「もう一人の自分が外からながめている感じ」がするのですね。
心と体が分離したような感覚だとすると、
「離人感」という表現がピッタリきますね。
※「意識が遠くなっていく感覚」なら、私にも味わったことがありました。
データより、パニック発作の32%に現れる症状ということで、
実際に体験されている方も多いと思います。
「離人感」を含めた各症状について、 しっかり理解をした上で、
クライエントさんに寄り添っていこうと、
私は改めて研鑽への意志を固めました。
※2013/09/21追記:「解離」と「離人症」など、
しっかり学んでいるところです。(^-^)
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!