あるがまま

カウンセリング&セラピー S-Breeze
(不安症専門☆愛知・岐阜・三重)

不安障害の認知行動療法 ~曝露療法のアイデアを1つ

今日は『不安障害の認知行動療法
という本を紹介します。

本書に記載の曝露療法のアイデアで、
いいなと思ったものも、1つ紹介します。

 

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『不安障害の認知行動療法』は、
複数の先生の論文が集められた本です。

掲載されている論文のタイトルを並べると……

 

★不安障害の心理療法

★うつ病を合併したパニック障害の認知行動療法

★D-cycloserineにより暴露療法の効果がなぜ増強するのか?

★社交不安障害の認知行動療法

★精神科診療所における強迫性障害の治療

★カバート強迫行為が特徴的であったOCDの症例

★マニュアルに基づく認知行動療法の臨床実践で生じる問題

★雷恐怖症の1症例

★スピーチ恐怖に対する集団認知行動療法

★双極性障害におけるうつ病相の認知行動療法

★コンピュータ対話式自己認知行動療法

★パニック障害に対する集団心理教育

★社交不安障害に対する集団心理教育

 

……というように、多岐に渡る内容となっています。

 

専門性が高くて、薬物療法を含めた各種療法の
治療結果のデータが充実している本です。

認知行動療法の基本的な進め方などは、
ほとんど出てきません。

理解していることを前提として読む本だと思うので、
認知行動療法そのものを学びたい方には
他の本をお勧めします。

 

本書には、強迫性障害、パニック障害、
雷恐怖症、双極性障害の治療事例も書いてあります。

例えば、パニック障害1つ見ても、
今起こっていることや併発症、これまでの治療経過などによって
取り組み方が全然違ってきますので、
治療事例は、どんどん頭に入れておいた方がいいと
私は思っています。

なので、本書の事例も参考になりました。

 

ここで、本書の
「社交不安障害の認知行動療法」(福井至先生担当)
のパートより、曝露療法の例を1つ引用します。

 

また寒い季節には、コートやジャケットを裏返しに着て、人どおりの多い広場に出かけ、数十分その場にとどまり、患者さんに筆者のことを気にしている人が何人いたか確認してもらうのである。

●坂野雄二・貝谷久宣・福井至、不安・抑うつ臨床研究会編
『不安障害の認知行動療法』(日本評論社/2010/P74)より引用

 

洋服を裏返しに着た状態で人の多い場所に出かけ、
そこにとどまる。

このアイデア、いいなと思いました。

 

引用文では、治療者が洋服を裏返しに着て、
患者さんが周囲の反応を確認する形となっています。

患者さんは、周囲の反応を見ながら
「思ったより人は気にしていない」ということを発見し、
安心することができるようです。

こういう方法もありなんだな、と思いました。

 

治療者(カウンセラー)の姿は、
患者さん(クライエントさん)にとっては、
自分が曝露を行う前に見ることのできる
見本であるとも言えるかもしれません。

カウンセラーの曝露をしている姿を見ながら、
自分にもできそうなことを
イメージしてもらえるのではないかと思います。

 

引用文では、冬のコートやジャケットを用いていますが、
工夫すれば、季節を問わずできそうですよね。

クライエントさんが行う場合で
いきなり洋服では難しい場合は、
アクセサリーなどの小物から
段階的に進めてもいいと思います。

それに、最初は人の少ないところから始めて、
段階的に人の多いところに出て行っても
いいと思います。

 

※もちろん、無理に洋服や小物で細工せずに
「その場にとどまる」だけでも十分意味があります。

※その辺は、ケースバイケースで……。

 

今日紹介した曝露のアイデアは、
色々応用して使えそうですね。

『不安障害の認知行動療法』

読んでよかったなと思いました。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!

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