今日は、
『「モラル・ハラスメント」のすべて 夫の支配から逃れるための実戦ガイド』
という本の紹介と、読んだ感想などを書いていきます。
『「モラル・ハラスメント」のすべて』は、
夫からのモラハラ被害に苦しむ妻たちに
自分の置かれた状況に気づいてもらうこと、
そして、人としての尊厳と自分らしさを取り戻してもらい(子供のためにも)、
モラハラ被害から脱出してもらうために書かれたガイドブックです。
★第1部 モラル・ハラスメントの基礎知識 【心理サポート編】
★第2部 モラル・ハラスメントからの脱出 【法的サポート編】
の2部構成になっています。
★第1部では、夫からのモラハラの典型的パターンや、
ストレスやトラウマから生じる妻の心の不調について、
夫のモラハラの子供への影響などが詳しく書かれています。
ここで本書から、モラハラの定義を表す部分を引用しますね。
目に見えるような暴力はなくても、妻は恐怖でがんじがらめになり、夫の一挙一動に怯えています。
それは、「人の気持ちを踏みにじって不安にさせる理不尽な態度」や「ささいなことを持ち出して、相手に非があるかのように怒り出す」といったことが、この家庭で日常的に繰り返されているからです。
それがモラル・ハラスメントです。
●本田りえ・露木肇子・熊谷早智子共著
『「モラル・ハラスメント」のすべて』(講談社/2013/P24)より引用
夫から言うことを全て否定されたり、
人格や存在すらも否定されたり、無視されたり、責められたり、
モノを壊されたり、命令されたり、勝手な制限を設けられたり、
理不尽な説教をされたり、強要されたり、脅されたり……。
様々な手段でコントロールしてくる夫と暮らす毎日は
とても辛いものだと思います。
極度の緊張状態の中、自尊心をボロボロにされて、
逃げ場のない精神状態に追い込まれていく妻たち。
抑うつ状態や心身症、不安障害や恐怖症など
大きな精神的ダメージを受けても不思議ではありません。
本書に書かれている、モラハラ被害を受けている方(妻)へのアドバイスです。
できることなら、子どもが小さく、適切な支援が効果を発揮できるうちに、そしてあなたに判断力があるうちに、いったん、モラ夫から離れることをお勧めします。
●本田りえ・露木肇子・熊谷早智子共著
『「モラル・ハラスメント」のすべて』(講談社/2013/P102)より引用
本書の★第2部は、「いかにしてモラハラから脱出するか」がテーマです。
現在お悩みの方(妻)に寄り添う形で解説されています。
「別居する前に準備しておくこと」「行政の相談窓口について」
「弁護士や法テラスの活用方法」「モラハラ証拠の集め方」
「離婚(調停・裁判)の進め方」「親権・監護権について」
「慰謝料・養育費の請求について」「自立後の生活について」
などなど、とてもきめ細やかに解説されています。
また、「全国の弁護士会一覧」「法テラスの地方事務所一覧」
「全国のおもなDV相談窓口」「養育費の算定表」などの資料も充実しています。
離婚を進める中でのモラハラ夫からの典型的な攻撃に対しての対処方法も
Q&Aという形で多数載せられています。
法律の勉強などしたことのない人(私を含めて)でも理解できるように
分かりやすく書かれていることも、本書の良いところだと思います。
以上のような内容で、現在夫からのモラハラ被害を受けておられる方にとっては
どの本よりも救いになる【実際に使える】一冊となっています。
もし私がモラハラ被害を受けている妻だとしたら、
この本の存在を、とてつもなく大きく感じると思います。
必要な方のもとに、本書が届くことを祈らずにはいられません。
DVやモラハラを行っている人(夫)は、自分に非があるという自覚や、
反省して自分を変えようという思いを持っていない人が
ほとんどである、ということをよく目にしたり耳にします。
そして、その人(夫)たちがカウンセリングを受けに来るのは
稀なことです。
※「カウンセリングを受けたりして俺がこんなに努力しているのに、
何だその態度は」 あるいは、「反省してカウンセリングを受けているから
帰ってきてくれ(口先だけ)」 などと、
妻を責めたり操ったりする材料とするために受けに来る人は別としてです。
私の記事の、ある側面だけを読んで、
「反省している夫の話は聴かないのか」と非難される人も
いるかもしれませんが、そうではありません。
※ある側面だけを採り上げて記事にすることはよくあります。
だからといって、他の部分を考慮していないわけではありません。
本当に自分を変えたい(モラハラをやめたい)と思って
カウンセリングを受けに来る方がおられましたら、
当たり前のことですが、
しっかり寄り添って話を聴かせていただこうと思っています。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!