心理カウンセラーは、精神科医のように 「診断」をすることはできませんが、
確かな「見立て」をすることは求められます。
なぜなら、誤った「見立て」をしてしまうと、 カウンセリングそのものが、
とんちんかんなものになってしまう 可能性が多々あるからです。
(実際問題として、そのようなカウンセリングは多いようです)
ですので、精神医学を学ぶと同時に、
心理アセスメント(心理査定)についても学ぶことが
私としては大切だと思っています。
最近読んだ、津川律子先生の本、
『精神科臨床における心理アセスメント入門』は、
そんな私のニーズを満たす、内容の深い一冊でした。
『精神科臨床における心理アセスメント入門』には、
たくさんの著名なセラピストの言葉や実践例、
クライエントに自傷他害の恐れのある場合の対処方法などが
分かりやすく書かれています。
また、心理アセスメントについて、いくつもの心理療法に渡り、
それぞれの方法が解説されているので、とても参考になりました。
本の後半には、
「精神科臨床における心理アセスメントの六つの視点」
というテーマで、とても詳しく掘り下げた内容が書かれています。
それを読んで、そのままマニュアル的に使いたい気持ちに
一瞬させられたのですが、
それを読んだ読者(私を含む)が、マニュアル的に使いたくなるであろうことは
著者にとっては想定済みのことだったようです。
本の中に、しっかり
「質問のためのチェックリストとして使用されることは望んでいない」
という内容が書かれていました。
(津川先生、的確なご指摘、ありがとうございます)
ここで、津川先生の思いが書かれている部分を引用します。
ただ、共通しているのは、セラピストが一人で勝手に心理アセスメントを作り上げているのではなく、心理アセスメントはクライエントとセラピストの二人の間で作り上げられてゆくということと、心理アセスメントは立体的なものである、ということである。
チェックリストのように平面的なものではない。
●津川律子著『精神科臨床における心理アセスメント入門』
(金剛出版/2009/P212)より引用
そうですよね。
セラピストやカウンセラーが、一人で勝手に作り上げていくような
心理アセスメントはしてはいけないですよね。
一人で勝手に作り上げていこうとする時点で
心理アセスメントとして機能していないですよね。
ただ、平面的にチェックして、カウンセラーが何となく決めつけたりして
本当のクライエントさんの姿がみえていない。
そんな状態に陥らないように、心して取り組んでいこうと思います。
クライエントさんに、しっかり寄り添いながらの心理アセスメントを
自分のスタイルとして、心がけてゆきます。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!