今日は、『依存症と家族』という本のを紹介と、
読んだ感想などを書いていきます。
『依存症と家族』の著者は、
依存症やアダルトチルドレンの分野で
多くの本を書いておられる斎藤学先生です。
本書では、
・依存症の3類型(①物質依存症、②プロセス依存症、③人間関係の依存症)
・発症のメカニズム
・他の精神疾患との関連性
・家族への影響
・回復のプロセス
などについて、解説されています。
読みやすく、かつ、専門性の高い内容となっているので
依存症についての理解を深めたい方にお勧めです。
さて、依存症からの回復への手段としては、カウンセリング以外に、
自助グループ(意味は下記の引用参照)への参加があります。
私としては、「あくまで自分が聴くんだ」というスタイルに固執せずに、
クライエントさんにとって本当にいいと思われる方法
(カウンセリングとの併用やリファー含めて)をお勧めしたいと思っています。
(選択は、クライエントさんの自由です)
もちろん話はしっかり聴きますし、セッション内でも取り組めることはあります。
ただそこだけにこだわらずに、外部の治療グループなどの情報も
必要に応じて、提供していきたいと思っています。
そして、まだはっきり計画を立てている段階ではないのですが、
私もいずれ自助グループに何らかの形で関わったり、
グループ・ワークを開催したりするかもしれません。
『依存症と家族』には、
そんな私にとってためになるヒントが書かれていました。
なお、自助グループというものは、同じ悩みを持つ者同士が完全に対等な個人として、過去の自分の体験を持ち寄るところに意味があるのであって、その中の一人が、カウンセラー化し、他のメンバーにお説教を垂れるようになると、自助グループとしての魅力と力を急速に失っていくものです。
●斎藤学著『依存症と家族』(学陽書房/2009/P44)より引用
【補足】
自助グループには、アルコール依存症者のための
AA(アルコホーリクス・アノニマス)や、
ギャンブル依存症者のためのGA(ギャンブラーズ・アノニマス)
など、依存症の種類によって様々なものがあります。
グループ・ワークを開催したり、自助グループに関わったりするときは、
グループの主旨と、参加者への作用をしっかり捉えることが必要ですね。
「そのグループのいい部分を伸ばすには、
自分はどんな役割(専門家としての枠組み設定を含む)をして、
何を提供すればいいのか」をしっかり検討し、
また、「何をするとそのグループのいい部分を壊してしまうのか」
を把握し考慮した上で、
開催するなり関わるなりしていかなければと思いました。
(そこには、一歩引くという選択もあります)
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!