先週から読み進めていた古宮昇先生の本
『共感的傾聴術』を、昨日読み終えました。
今日は読んだ感想と、来談者さんからの
「守秘義務は守ってくれますか?」
という質問に対する応答について書いていきます。
精神分析の理論は、
相手に指摘して分からせるための理論ではない。
相手を変えるための理論でもない。
相手を類型に当てはめて、
理解したつもりになるための理論でもない。
精神分析の理論は、
相手の心の痛みに対して
より深く共感するために活用するもの。
本書を読んで、古宮先生のそのスタイルを
私も取り入れさせていただこうと思いました。
※私は来談者中心療法、認知行動療法、フォーカシングを
主とする折衷派のカウンセラーです。
※「聴く」を大事にしたいと考えています。
もちろん、古宮先生のレベルに到達するには
果てしない修業が必要ですが、
一つ一つ学びを深めて、実践していこうと思います。
ここで『共感的傾聴術』より、
「守秘義務は守ってくれますか?」
という来談者さんからの質問に対する応答について
書かれているところを取り上げます。
来談者 守秘義務は守ってくれますか。
わたし 今日お話しされたことはすごく傷つきやすいことなので、とても大切に扱ってほしい、というお気持ちでしょうか。
●古宮昇著『共感的傾聴術』(誠信書房/2014/P108)より抜粋・引用
この応答では、
来談者さんの不信感や不安の表現とも取れる質問に対して、
質問の裏にある来談者さんの気持ちを
共感的に理解しようとしています。
そのカウンセラーの姿勢によって、
来談者さんは言いにくいことでも話しやすくなり
カウンセリングも深まっていきます。
次に、あまりよろしくない例を引用します。
来談者 守秘義務は守ってくれますか。
わたし 前にお伝えしたように、守秘義務は守りますから安心してください。
●古宮昇著『共感的傾聴術』(誠信書房/2014/P108)より抜粋・引用
この部分を読んで、はっとしました。
「守秘義務は守りますから安心してください」
私、これ言いそうです。(早速、修正します!)
※もちろん初回面接(またはインテーク面接)では、
守秘義務についても説明します。
※本事例は、カウンセリング進行中での話です。
「守秘義務は守りますから安心してください」
このように言いたくなるのは、
カウンセラーが来談者さんから信頼されたいと思ったり、
文句を言われることを恐れたり、
不安になったりするからとのこと。
確かに、安心して話してほしいという気持ちと同時に、
来談者さんから信頼されたいという気持ちも
私の中に浮かんできました。
でも、カウンセラーが来談者さんに
「信頼してほしい」という気持ちを発信し、
無意識にでもそれを求めると(たとえ言葉に出さなくても)、
来談者さんの、自由に話したり、探求したりという行為を
妨げてしまいますよね。
※「信頼しなくてはならない……」「不満を言ってはいけない……」など
来談者さんが自分のことに集中したり、
自由に発言したりができなくなります。
それに、来談者さんの
「守秘義務は守ってくれますか」の質問の裏にある気持ちを
スルーしてしまう(十分に共感を示していない)ことになるので、
カウンセリングが深まる訳がありません。
「守秘義務は守りますから」と言いそうだと感じた私は、
「要反省&自分の中を見つめ直し」です。
来談者さんが
たとえカウンセラーを信頼していなくても、
不満を感じていたとしても、
その気持ちを自由に感じて、自由に話すことができる。
そして、カウンセラーは来談者さんの気持ちを
共感的に理解しながら聴いていく。
そこからまた、カウンセリングが深まっていく。
その形、非常に大事なので
しっかり身に付けていきたいと思います。
古宮先生の『共感的傾聴術』。
ものすごく勉強になる、とても深い一冊でした。
私のバイブルにします。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!