今日は、私が3年ほど前に購入して以来
何度も読み返している古宮昇先生の本、
『やさしいカウンセリング講義』を紹介します。
本書より引用しながら、
「対人恐怖の奥底にある感情」
というテーマについても書いていきます。
『やさしいカウンセリング講義』は、
タイトルにこそ『やさしい』とありますが
内容としては本格的なものになっています。
★来談者中心療法における
カウンセラーとクライエントの
温かくて豊かな癒しの関係について
★転移/逆転移について
※転移/逆転移の意味は → こちら(過去のブログ記事)
★抵抗について
★人の変化と成長について
……など、非常にきめ細かく、かつ
分かりやすく解説されています。
そして何と、本書には
有名な『グロリアと三人のセラピスト』のビデオより
カール・ロジャーズ先生(来談者中心療法の創始者)の
セッションを抜き出して書き起こされた逐語記録が
古宮先生の解説付きで載せられています。
古宮先生の解説を読むと、
カール・ロジャーズ先生といえども
必ずしも完璧な応答をしていなかったのがよく分かります。
私はそれを読みながら、
一瞬一瞬が勝負であるカウンセリングというものが
いかに難しいかということを改めて考えさせられました。
ここで本書より、「対人恐怖」というものを
より深く理解するためのヒントが書かれているところを
引用します。
また、わたしたちが強い対人恐怖に苦しむとき、しばしば「周りの人々が自分をジロジロ見ている」と感じることがあります。
その訴えには、「すべての人々がぼくに注目しているはずだ」という信念があります。
そしてその信念の奥に、「すべての人々に注目されなければ空虚で寂しくて耐えられない」という空虚感がうかがえます。
●古宮昇著『やさしいカウンセリング講義』
(創元社/2007/P134)より引用
周りの人たちに恐れを感じ、
「こっちを見ないで!」と人の視線に怯えながらも、実は
「寂しいから注目して欲しい」「自分に関心を持って欲しい」という
依存的な感情も併せ持っているということですね。
他にも「拒絶しないで!」「見下さないで!」という恐れの感情も
持っていることが多いと思います。
※対人恐怖の裏に、強い怒りが抑圧されていることも。
それらの感情を強く抱き続けているのは、
子どもの頃に親からの注目、関心、愛情を得られたという実感が
乏しいからなのかもしれません。
※辛い場合は、ぜひ信頼できるカウンセラーなどに相談を。
表に見えるもの……。
心の奥底にあるもの……。
様々な感情が影響を及ぼし合っています。
人の心というものは、とても深いものですね。
カウンセラーの立場としては、
ただただ精進あるのみです。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!