傾聴の研修会などで何度かお世話になっている
古宮昇先生が新刊を出されました。
『一緒にいて ラクな人 疲れる人』というタイトルの本です。
早速購入して、読んでみました。
第1章 「ラクな人」と「疲れる人」の8つの決定的な違い
第2章 「一緒にいてラクな人」になれる10の方法
第3章 相手がもっと話したくなる「聴き方」、相手が話す気を失くす「聴き方」
第4章 それでも「ラクな人」になれなかったら
……という章に、本書は分けられています。
子どもの頃から自己表現があまり上手ではなかった私。
社会不安障害の発症を経験した私。
※自力で克服済みです。(プロフィール参照)
そんな私にとっては、身に覚えのある内容が
たくさん書かれている本でした。
例えば……
一緒にいて疲れる人は、結果や相手の反応を気にしすぎる
一緒にいてラクな人は、結果より自分の納得感を大切にする
●古宮昇著『一緒にいて ラクな人 疲れる人』
(PHP研究所/2015/P24)より引用
私が社会不安障害で悩んでいた頃は、
今よりもずっとずっと相手の反応を気にしていました。
「馬鹿にされたらどうしよう……」
「笑われるのが怖い……」
相手の反応を気にするということは、
相手に「自分にとっての好都合な反応」を
求めるということでもあります。
「僕のこと、馬鹿にしないで!」
「僕を笑うな!」
「私を分かって!」
「私を愛して!」
もともと相手の側に
馬鹿にしたり笑ったりしようとする気持ちがなかったとしても、
こちらが相手の反応に対して過剰に敏感になったり、
「自分にとっての好都合な反応」を相手に求め続けたりしていると、
やっぱり相手は疲れます。
(相手への要求は、無意識に行われることが多いです)
過剰な敏感さ(反応に対するジャッジメント)や無意識での要求が、
しっかり相手に伝わるからです。
以前の私も、今よりも相手を疲れさせていたと思います。
自分では「大人しいので癒し系」みたいな自己認識も持っていましたが、
実際はそうではなかったと思います。
当時の私は「相手をラクにできる人」ではなくて、
「相手に自分(私)をラクにすることを求め、相手を疲れさせる人」でした。
※その後、自分のそういった部分を認めて、受け容れて、
そこにある感情を感じるということを繰り返すことで
自分が変わっていきました。
※それは、「他人の反応に左右されすぎない自分」を
育てるプロセスでもあります。
※その変容のプロセスは、社会不安障害の克服と連動しています。
※私のセッションでは、そういった部分も含めてサポートいたします。
今回、『一緒にいて ラクな人 疲れる人』を読んで
自分の過去を振り返ることができました。
本書を読んで気づいたのは、
不安障害にかなりの割合で対応した内容になっているということです。
なので、不安障害でお悩みの方にとっては
「そう、そう、私もそう!」と思える部分が多い本だと思います。
ただし、今まで無意識に目を背けてきた
「自分の中の見たくない部分」への扉が開いてしまう可能性も
持ち合わせていますので、
人によっては心に響きすぎる場合があるかもしれません。
※それだけ、本気で書かれている本という印象を受けます。
そういった場合は、
『第2章 「一緒にいてラクな人」になれる10の方法』を参考にしつつ、
無理しない範囲で読んでいただけたらと思います。
古宮先生ご自身の体験談からも、学べることの多い本です。
不安障害でお悩みの方が、自分の心と相談しながら、
自分の心を深く見つめながら、
じっくり読み進めるのにいい本だと思いました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!