今日は、古宮昇先生の本、
『傾聴術 ひとりで磨ける”聴く”技術』
を紹介します。
今の私が感じている
「聴く」ことの難しさについても書いていきます。
『傾聴術 ひとりで磨ける”聴く”技術』は、
傾聴力を上げるための「実践書」です。
応答の練習問題が9つ載っています。
※相手の話す悩みごとに対して
どのように応答するかを考える問題です。
1つ1つの練習問題には
数パターンの応答例が解説付きで載っていますので、
とても勉強になります。
自分の考えたものとは違う応答例にも触れることで、
理解が深まります。
ここで本書より、「聴く」ときの大切なポイントが
書かれているところを1箇所引用します。
大切なことは、話し手の伝えようとしていること、話し手の経験を、できるだけ話し手の身になって、ひしひしと、ありありと想像し、感じ、正確に理解し、話し手が伝えたい核心を返すことです。
●古宮昇著『傾聴術 ひとりで磨ける”聴く”技術』
(誠信書房/2008/P86)より引用
文章にすると、シンプルなことのように
見えてしまうかもしれませんが、
私としては、とても難しいことだと日々実感しています。
カウンセリングの現場は一瞬一瞬が勝負。
相手の話に本気で集中します。
集中して聴きながらも、
★相手は、どのような感情や欲求を
抱いている(抱いてきた)のだろうか?
(話の内容には出てこない部分を含めて)
★その感情や欲求の背後には、
どのような体験・状況・状態などが予想されるか?
……などの仮説(見立て)を立てることも
同時に行っています。
そして、相手の話や表情、反応などから得られた情報に
仮説を含めた全てを考慮しながら、
ひしひし、ありありと想像し、感じ、共感を示します。
ここで気を付けなくてはならないのは
仮説はあくまで仮説なので
それにとらわれ過ぎてもよくないし、
相手の話を聴きながら柔軟に修正していくことが必要だということ。
間違っても、自分の準拠枠(価値観など)に引っ張られて
勝手な決め付けは行ってはならない……。
そういったことや、それ以外のことも全部含めて
「聴く」という二文字の言葉には集約されています。
私にとっては、中身がぎゅうぎゅうに詰まった
とても重い二文字です。
「聴く」ことがもっと上手になりたい……。
今の私は、勉強や練習、実践を重ねながら
いつもそう思っています。
きっと、5年後も10年後も
そう思っていることでしょう。
人間である以上、完璧なんて
ありえない世界。
不完全な自分と向き合いながら、
これからもずっと、学び続けていきます。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!