今日は、水野修次郎先生の本、
『よくわかるカウンセリング倫理』を紹介します。
カウンセリングにおける
倫理問題の難しさに触れながら書いていきます。
まず、「倫理」とは……。
kotobank.jpによると、
人として守り行うべき道。
善悪・正邪の判断において普遍的な基準となるもの。
道徳。モラル。
これを、カウンセリング関係にあてはめたのが
カウンセリング倫理です。
具体例としては、
★多重関係(友人・知人などへのカウンセリング)
を避けること
★守秘義務を守ること(危機への介入時は、その限りではない)
★クライエントと恋愛関係や性的関係は持たないこと
★インフォームド・コンセント(十分に説明した上での同意)
を得た上で、カウンセリングを進めること
……などが挙げられます。
(実際の内容は、もっと多岐にわたります)
倫理の問題は、とても複雑です。
白か黒かで明白に判断できないことも多いです。
(カウンセリング倫理の難しいところですね)
そういった場合の、判断の一つのポイントは、
クライエントへの危害が一番少ないことをしましょう。
●水野修次郎著『よくわかるカウンセリング倫理』
(河出書房新社/2005/P151)より引用
……ということになります。
クライエントへの危害が一番少ないこと。
それが何であるかを判断するためには、
まず問題の本質を明確にした上で
可能な解決策を練ります。
具体的には、
★(A)という発言を行った場合に起こりうる結末
★(B)という発言を行った場合に起こりうる結末
★あるいは、その発言を行わない場合に起こりうる結末
……など、様々な角度から深く検討し、
クライエントへの危害が一番少ないと考えられることを実行します。
「クライエントの望むこと=クライエントへの危害が一番少ないこと」
であるとは限らないことも、
判断をより難しくしている要因だと思います。
ここから、本の紹介をします。
『よくわかるカウンセリング倫理』には、
カウンセリングの場でどんなことが起こりうるか、
そして、カウンセラーとして
どのように振舞うのが適切なのかのヒントが書かれています。
それぞれのケースにおいて、
必ずしも絶対的な唯一の正解が
存在しているわけではありません。
『よくわかるカウンセリング倫理』にも、
全ての疑問に対する答えが載っているわけではありません。
ただ、倫理というものとしっかり向き合って考えてみる
きっかけを与えてくれる本ではあります。
まるで、詳しい資料は付いているけれど
解答が載っていない問題集のようです。
だからこそ、深く考えさせられます。
読めば読むほど、
何が正解なのかが分からなくなる部分も
あるように感じますが……
そこを乗り越えることによって、
一つ成長できるのでしょう。
私も何度も真剣に読んで、
カウンセリング倫理について
しっかり考えてみようと思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!