最近、『カウンセリングはなぜ効くのか』という本
(氏原寛先生の著作)を読みました。
今日は読んだ感想と、その本から学んだ
「クライエントさんとの関係性」について書いていきます。
『カウンセリングはなぜ効くのか』もまた、とても深い本でした。
私にとって、ちょうど学びを深めたいと思っていた
ドンピシャリの内容でした。
転移/逆転移や行動化に対する捉え方、カウンセラーとしてのあり方、
カウンセリングへの活かし方など、
実践レベルで役に立つ内容が満載でした。
例えば、この箇所もとても参考になりました。
種のレベルで、お互いにどれほどの情動がかき立てられていようと、カウンセラーとクライエントの関係はカウンセリング関係をおいてはない。
お互いの状況がそういうめぐり合わせを作ったのである。
そしてそこでの経験をベースに、クライエントは可能な場合、現実場面でそれなりの人間関係を作ってゆく。
この場合、枠を守る責任は100パーセント、カウンセラーのものである。
●氏原寛著『カウンセリングはなぜ効くのか』(創元社/1995/P112)より引用
クライエントさんが、いずれ現実場面でほどよい人間関係を作ってゆけるように、
前もってそれをカウンセリング関係の中で体験してもらう。
「なるほど、そういった意味合いもあるのだな」と腑に落ちました。
(考えてみると、当たり前のことではありますが、
技法などにとらわれていると、見落としてしまいやすい視点かもしれません)
また、カウンセリング関係の中で、たとえどんな情動が起こったとしても、
(例えば、親が子を想うような気持ちなど)
カウンセラーは、カウンセラーの責任のもとに、
あくまでカウンセリング関係としての枠を守る。
これは本当に大事なことなので、徹底してゆかねばならない。
そう思います。
とはいえ、心と心が響き合わない関係では
カウンセリングそのものが成り立たないので、
カウンセラーとしては、心と心の交流を大事にしながらも
枠は必ず守るという絶妙なバランス感覚を磨く必要があると思いました。
そしてそこには、カウンセラー自身の強さや安定感も必要になってくると思います。
(もちろん、カウンセリングに影響を及ぼすような問題を
カウンセラーが心の中に抱えていないことも必要です)
この部分は、プロのカウンセラーとしてやっていくにあたり
ものすごく大事なことです。
これからも、ずっとずっと
自分の心の、内的プロセスを敏感に感じながら
学び続け、実践を重ね、研鑽し続けてゆきます。
カウンセラーとしても。
人間としても。
ずっと学び続けてゆこうと思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!