今日は、林公一先生の本
『躁うつ病 患者・家族を支えた実例集』
を紹介します。
本書を参考にしながら、
「双極性障害と新型うつ病が間違われるケース」
についても書いていきます。
『躁うつ病 患者・家族を支えた実例集』は、
躁うつ病(双極性障害)の症状や治療の事例が
29例載っている本です。
それぞれの事例には、詳しい解説が付いています。
双極性障害について、幅広くカバーされていますので
この本1冊で、ある程度双極性障害について掴めると思います。
※ただし、内容はⅠ型がメインで、
Ⅱ型に関する記述は少ないです。
本書の中に、興味深い事例を見つけました。
うつ状態が酷くて休職した会社員が、
休職中に元気に遊び回っているケースです。
このようなケースでは、最近問題になることの多い
新型うつ病(本書では「擬態うつ病」と表現されている)ではないかと
まず、思ってしまいそうになるのですが、
中には双極性障害の場合もあるそうです。
※仕事をしている間はうつ状態であったが、
休職した途端に躁転(躁状態に切り替わること)した場合など。
「双極性障害」と「新型うつ病」。
確かに双極性障害の躁転のタイミングによっては、
間違われてもおかしくないですね。
なるほどな、と思いました。
ただし、注意深く見ていれば、
違いははっきり見ることができます。
★双極性障害のうつ状態では、自分を責めていることが多い。
※ただし、躁状態では
他責(他人を責める)が目立つこともある。
★双極性障害の躁状態では、元々の性格を超越して
陽気になったり活動的になったりする。
※万能感や誇大的な考えが見られる。
※Ⅱ型の場合は、分かりにくいですが……。
……などが、新型うつ病(基本的に他責)と異なる点です。
※もちろん、両者は完全に別の病気なので、
相違点は他にもたくさんあります。
「双極性障害」と「新型うつ病」。
カウンセラーとしても
それぞれ適切な対処法が違ってきますので、
うっかり間違えてしまわないように、
しっかり見立てていこうと思いました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!