あるがまま

カウンセリング&セラピー S-Breeze
(不安症専門☆愛知・岐阜・三重)

ACの生きる力! ~それぞれのストーリー

今日は、季刊Be!増刊号の
ACの生きる力!』を紹介します。

 

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『ACの生きる力!』は、厚さ7mm程度のコンパクトな冊子です。

そのコンパクトな中に、AC(アダルト・チルドレン)を自覚されている方
16人分の手記が掲載されています。

子供の頃の家庭環境や体験したこと、自分に起こっている症状、
回復に向けて取り組んでいることなど、
それぞれ自由な形式で描かれています。

 

内容を感じていただくために、本書よりいくつか引用すると……

 

私は母が大嫌いだった。いつも、金、金と言うから。そして私は母が大好きだった。甘えたいのに甘えられない、抱きしめてもらえない、手が届かない存在だったから。(P17)

 

正当な理由がなければ相手を拒否するなどしてはいけないことだと思っていた。「ただ自分が嫌だと感じる」というのが正当な理由になるとは思ってもみなかった。(P32)

 

私は強固な壁の境界を作り、それによって孤独を感じ耐えられなくなると、とたんに境界をなくして他人に自分の思いや考えを押しつけたり、その反面自分が人の気分を害したのでは迷惑をかけたのではと気にしたりし、それによって疲れて耐えられなくなり強固な境界を作る、の繰り返しだったと気がつきました。(P94)

●『季刊Be!増刊号 ACの生きる力!』
(アスク・ヒューマン・ケア/2009)より引用

 

それぞれの投稿者が、勇気を出して自己開示をしておられるので
とても心に響きますし、参考にもなります。

そして、それぞれの体験談の中には、
心の痛みだけではなく、前に向かう力も感じられるので、
現在お悩みの方にとっては、勇気がもらえる一冊であると思います。

反面、生々しい描写も含まれていますので、
読むことによって、心の痛みを感じる方もおられるかもしれません。

 

AC(アダルト・チルドレン)とは、
アルコール依存症家族や機能不全家族で育ったことなどの影響で、
大人になっても、心の中に傷ついた「内なる子ども」を
持っておられる方のことを言います。

その「内なる子ども」は、
存在を認められ、肯定され、癒される必要があります。

 

本書を読んで私が再確認したのは、いつもこればかり書いていますが、
やはり、一人一人違うということです。

ACは、もともと病気の症状を示す概念ではないので、なお更です。

 

育ってきた家庭環境も違えば、ストーリーも違う、
気質や性格も違うし、悩んでいる症状も違う。

つまり、ACには定型、非定型なんてものはなく
一人一人違っていて当たり前なのだと思います。

 

それを、ひとくくりにした瞬間から
(ACとはこういうものだと決めつけた瞬間から)、
一人一人の心の声が聴こえなくなってしまいます。

自分の思うAC像や、そうであってほしいAC像に
相手を結びつけてしまいます。

 

だから私は、ACの症例に対しても、
丁寧に聴いていくことから始めます。

聴かなければ、分からないです。

それに、クライエントさんとしても、
聴いてもらうことで初めて気づけることが、たくさんあると思います。

※ご自分のことを、思い描くAC像に当てはめることで
安心を得ておられる方の場合は、
その気持ちを汲み取りながら聴いていきます。

 

カウンセラーとしては、一人一人違うクライエントさんに
しっかり対応していくためにも、学び続けていかなければと思っています。

ACの症例や、愛着(アタッチメント)について、性格・気質について、
各種症状について、各種心理療法についてなどをしっかり学ぶと同時に、
それらの知識を、柔軟性を持って活用できるようにする学びも
実践を含めて継続していきます。

 

それに、人間として成長していくことも大事ですね。

(どんなに経験があっても、「この人には聴いてもらいたくない」
と思われたらそこまでです)

 

カウンセラーという仕事は、学べば学ぶほど、
大変さが見えてくる仕事だと思います。

大変さが見えてくるたびに、
その大きさに圧倒されながらもさらに学び、
一つ一つを乗り越えながら、進んでいこうと思います。

(ACの話のはずが、決意表明になってしまいました……)

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!

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