今日は、伊藤絵美先生の本、
『認知行動療法カウンセリング 実践ワークショップ』
を紹介します。
初回面接においての
「クライエントさんから主訴を聞くタイミング」
というテーマについても書いていきます。
※主訴=クライエントさんが一番相談したいこと。主な悩み事。
この本は、
『認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ』
(リンクは過去記事)の続編の本です。
認知行動療法のセッションの進め方そのものよりも、
実際のセッションでの注意点や起こりがちなことなどの
実践的な内容に重点が置かれています。
※認知行動療法に関する専門知識を、
ある程度お持ちの方向けの本です。
進め方の本は翻訳書を含めてこれまでも多数、
伊藤先生は出してこられましたので、
視点を少しずらしたこの本の登場は
私としては嬉しかったです。
隅々まで何度も読ませていただきました。
認知行動療法(CBT)をメニューに掲げている
カウンセラーやセラピストは多いですが、
その活用の仕方には幅があります。
例えば、認知再構成法(コラム法など)と
曝露療法(エクスポージャー)のみを取り上げて
簡素化して行っている場合も多いですし、
もっと専門的に構造化しながら、
より深く活用している場合もあります。
私は後者のタイプで、使用するツール(用紙)にもこだわり、
改訂を重ねて進化させていっています。
そういった専門的な認知行動療法の技術を深めていく上で、
好んで参考にさせていただいているのが
伊藤先生の本の数々(翻訳書を含めて)です。
話は突然変わりますが……
ここで、『認知行動療法カウンセリング 実践ワークショップ』より
初回面接時の注意点を1つ引用します。
それから、私も試行錯誤をしましたが、今結論としてあるのは、主訴を初めから聞かないということです。
先ほど話したように、ある程度横軸と縦軸で情報を集めた後で、「では、あなたの主訴は何ですか?」と聞いていく。
そうすると、背景の情報が入っているので、すごく理解しやすいのです。
主訴に関わる話は、インテーク面接の後半で聞いていくほうがいいと思います。
●伊藤絵美著『認知行動療法カウンセリング 実践ワークショップ』
(星和書店/2015/P19)より引用
確かに私もそう思います。
カウンセラーとしては、お話しを聞きながら、
ある程度状況を把握した上で主訴を聞いたほうが理解しやすいですね。
それに、クライエントさんとしても、
話をしながら「何に困っていて、何に取り組みたいか」が
まとまってくる部分もあると思います。
私が使用している初回面接用のインテークシート
(お伺いする項目が並べられているシート)でも、
主訴の項目は後半に入れています。
主訴は面接を進めていく中で、
変わっていくことがよくあります。
面接を進めながら、ようやく見えてくることもあります。
その辺りは臨機応変に、クライエントさんの気持ちを大事にしながら、
しっかり対応していきたいとあらためて思いました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!