今日は、高橋惠子先生の新書、
『絆の構造 依存と自立の心理学』を紹介します。
途中、ボウルビィ先生のアタッチメント(愛着)理論についても
書いていきます。
無理に人とつながることを一旦やめて
自分にとって必要な人を選択し、
自分が納得できるやり方で付き合えるように
人々との絆を再検討してみようというのが本書の提案です。
母子関係や家族、仲間、友人、恋人との絆、
定年後の人間関係などを採り上げながら、
絆や一部愛情についても、様々な切り口で解説されています。
本書掲載の数々のデータと理論などを照らし合わせながら
自分にとっての絆というものについて
じっくり振り返ってみたい方にお勧めです。
本書には、印象深い内容がいくつも書かれていましたが、
その中の一つはアタッチメント(愛着)理論についての記述です。
ボウルビィは、なぜ、母子関係だけに注目し、母親偏重に陥ったのであろうか。
なぜ、戦災孤児の問題を母親の愛情を失ったことだけで説明してしまったのであろうか。
それは、すでにフェミニストたちが厳しく指摘しているように、ボウルビィが家父長制イデオロギーに影響されていたために違いない。
●高橋惠子著『絆の構造 依存と自立の心理学』
(講談社現代新書/2013/P75)より引用
ボウルビィ先生のアタッチメント理論の欠陥(と書いておられる)を
同理論を確立していったときの時代背景をまじえながら
鋭く指摘されている点が印象に残りました。
「子供の愛着形成において、母子関係はもちろん重要だけれども
それに限定して考えてはならない」
アタッチメント理論に関しては、他の先生方の本でも
「決して完璧なものではない」との記述を読んだことがありますし、
母子関係が全てではないとの記述も読んだことがあります。
(それについては、私も同意です)
アタッチメント理論は、今の時代に合わせつつ、
時間の流れの中で得られた様々なデータを反映させつつ、
今なおバージョンアップし続けているような印象を受けます。
私も置いていかれないように、
しっかり勉強してついていかなくちゃ、ですね。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!