石井希尚さんの本、
『あなたを苦しめる過去から自由になる本』
を読みました。
「どんなアプローチが書いてあるのかな?」と
興味を持って読んでみました。
読んでみると、なかなかインパクトのある本でした。
具体的には、石井さんの、クライエントさんに対して
ガツンときつめの言葉をかける姿勢に衝撃を受けました。
例えば……
しかし、私はカウンセラーとして本当のことを言うべきです。
客観的に考えて、彼は浮気をしている可能性が高いのは明らかでした。
ですから私はこう言ったのです。
「なるほど。そういうことだと、予想通り、ほぼ間違いなく、ご主人は浮気をしていますね」
●石井希尚著『あなたを苦しめる過去から自由になる本』
(すばる舎/2011/P79)より引用
「本当のこと」
「言うべき」
「明らか」
「ほぼ間違いなく」
「浮気をしていますね」
自分は神さまではないので、
分かった気になってはいけないし、
決め付けてもいけない。
そんな風に考えている私には言えないし、
言いたくない、考えもしないセリフです。
「ああ、こういうスタイルもあるんだなぁ」と
衝撃を受けました。
他にも……
「あなたは、とんでもないことをしたと思っていますね」
「はい」
「でも、変わらないのだから、それを考え続けても意味がないですよね」
「え、ま、まあ、そうですね」
「『まあ』ではありません。今と同じように考え続けることに意味がありますか?」
●石井希尚著『あなたを苦しめる過去から自由になる本』
(すばる舎/2011/P82-83)より引用
「とんでもないことをした」
「思っていますね」
「意味がないですよね」
「『まあ』ではありません」
決め付け、押し付け、上から目線、否定……
共感的というよりは、
カウンセラーの価値観に基づいて分析し、
指摘する。
そして、クライエントさんを現実に直面化させる。
そういったスタイルなんですね。
でも、たくさんのクライエントさんと関わってこられたとのこと。
「こういうスタイルがしっくりくるクライエントさんも、
たくさんおられるんだなぁ」ということを知りました。
石井さんと私とでは、
カウンセリングのスタイルは完全に違いますが、
考え方の共通している部分も、もちろんあります。
人のせいにするのも、過去のせいにするのも、環境のせいにするのも、あなたの勝手ですが、それをしている間、あなたは決して幸せにはなれません。
充実感のある、素晴らしい人生を満喫したいなら、あなたにはやめるべきことがあります。
それは、「過去のせいにする」ということです。
●石井希尚著『あなたを苦しめる過去から自由になる本』
(すばる舎/2011/P170-171)より引用
言葉がきついし、もし私がクライエントだったとすると
「それができないから困っている」と言いたくなりそうな内容ですが……
目指す方向としては、私も同じように考えています。
「過去のせいにする」=「過去に執着する」
自由になりたいと思いながら、実は自分で手放していない。
もちろん、「やめるべきことがある」と言われて、
「はい!過去のせいにするの、やめます!」と
直ちに実行できるくらいなら、
おそらくその人は、カウンセリングには来ません。
その辺りのクライエントさんの辛さ、苦しさを
共感的にしっかり聴いていきたいと私は思っています。
そして、最終的には、クライエントさんが
「過去への執着を少しずつ手放していく(受け入れていく)」。
クライエントさんの中にある、その力を信じながら
私は寄り添っていきたいと思っています。
今日は、石井さんと私のスタイルの違いに
焦点を当てる形になりましたが、
どちらがいいとか悪いとかではなくて、
それぞれの形があっていいのだと思います。
いろいろなスタイルのカウンセリングがあって、
それぞれのスタイルにしっくりくるクライエントさんがいる。
私も、他のカウンセラーも、クライエントさんも
多様性の世界の中の一員。
だから、これでいいのだと思います。
お互い、それぞれの形で、
なりたい在り方を目指して進んで行きましょう。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!