今日は、森下克也先生の本
『薬なし、自分で治すパニック障害』を紹介します。
本書は、タイトルには「薬なし」「自分で治す」とありますが、
薬を完全否定したような本ではありません。
診療内科医としての森下先生の知識と経験が
ふんだんに盛り込まれた、
現実に沿った内容になっています。
『薬なし、自分で治すパニック障害』には、
パニック障害の発症のメカニズムについて
特に詳しく書かれています。
自律神経の過活動(自律神経ストーム=「逃げるか戦うか」の反応)や
ストレスによる影響に加えて、
脳内の情報伝達にも着目しています。
※扁桃体、青斑核、視床下部-下垂体-副腎系、前頭葉が
複合的に関連しているのではないかと考えられています。
本書では、パニック障害の発症の仕方によって
便宜上、以下の2つの型に分けられています。
「不安型」
過度の不安という得体の知れない感情に突然襲われ、
それに付随して身体症状が起きる。
「身体型」
突然襲ってきた動悸やめまいに気が動転し、
「死ぬのではないか」と考えてしまう。
この2つに分けることによって
治療のアプローチを調整するという点は、
大いに参考にしたいと思いました。
※ただし、自律神経の過活動が
大きく関わっているという点では両者とも共通しています。
※不安型は、社会不安障害などで起こる不安発作と
同様、または類似の症状だと思われます。
本書には、パニック発作の治療方法についても
解説されています。
内容的には……
★自律神経を安定させる方法
(いい睡眠をとる、胃腸の調子を整える、
生活リズムを整える、腹式呼吸をするなど)
★薬物治療の受け方
★漢方薬について
★認知行動療法について
……と、なっています。
自律神経へのアプローチや認知行動療法については
特に目新しいことは書いてないのですが、
その分、「基本に忠実 + 薬と漢方薬の記述は詳しく載っている」
という印象を受けました。
自律神経の整えや各種治療など
他の本を参考にしながら実践されている方が、
パニック障害のメカニズムと薬・漢方薬の知識を
より深めるために読む本として、マッチしていると思います。
今日は、ほとんど本の紹介のみになってしまいましたが、
ここまでとします。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!