今日は、『図解 やさしくわかる認知行動療法』
という本を紹介します。
本書より引用しながら、インテーク面接(最初の面接)で
「セラピストに何を話したらいいのか?」
の目安についても書いていきます。
『図解 やさしくわかる認知行動療法』は、
認知行動療法の基本的な考え方と治療の流れが
分かりやすく図解入りで解説されている本です。
医療機関やカウンセリングルームでの
認知行動療法の基本的な進め方が、
他のワークブック形式の認知行動療法関連本よりも
詳しく解説されています。
(クライエントさん向けの本なので、
クライエントさん目線で書かれています)
「認知行動療法を受けてみたいけれど、どんな風に進行するのかが不安」
という方が本書を読まれると、イメージをつかめると思います。
例えば、本書にはインテーク面接で
「セラピストに何を話したらいいのか?」
の目安について書かれています。
※インテーク面接とは、認知行動療法を進める前に行われる
最初の面接のことです。
解決すべき問題を明確にするために、
特につらかった出来事や、そのときの感情・思考などについて
セラピストと話し合ったり、心理検査を行ったりします。
その部分を引用すると……
1 面接を受けたきっかけ、問題について話す
2 最近の印象的なできごとを具体的に話す
3 そのとき浮かんだ考えや感情について話す
●福井至・貝谷久宣監修『図解 やさしくわかる認知行動療法』
(ナツメ社/2012/P37)より項目のみ引用
これらは特に、認知行動療法のインテーク面接に限らず
通常のカウンセリングにおいても話すといい内容です。
もちろん、進行役(認知行動療法という構造化された流れにおける)
は、セラピスト側が行いますので、
特に構えず自由に話していただいて大丈夫ですが、
「何から話せばいいのだろう?」と
迷ったり不安になったりしている場合は、
上記1~3は、一つの目安になると思います。
また、他の問題についても、ケースバイケースではありますが、
話しておくと安心できます。
心理・精神的な問題
対人関係の問題
職業に関する問題
医学的な問題
経済的な問題
住居に関する問題
法的な問題
娯楽・余暇の問題
●福井至・貝谷久宣監修『図解 やさしくわかる認知行動療法』
(ナツメ社/2012/P36)より引用
上記の他にも、身体症状についても話していただくと
より有意義なセッションになると思います。
『図解 やさしくわかる認知行動療法』の紹介に戻ります。
本書は、治療の流れ以外にも
非常に多くの情報が入っている本です。
例えば……
★自動思考の修正に役立つコラム法の進め方
★週間活動記録表やメリット-デメリット分析の活用方法
★漸進的筋弛緩法や自律訓練法、呼吸法などのリラクセーション法について
★苦手とする刺激にあえて自分をさらすエクスポージャーの進め方
★アサーション・トレーニングについて
……など、他にもたくさん載っています。
認知再構成法(コラム法)に特化すると、
「うつと不安の認知療法練習法」や「こころが晴れるノート」
(共に過去記事へのリンク)
の方が、詳しく書かれています。
『図解 やさしくわかる認知行動療法』は、
行動面からのアプローチやリラクセーション法など
認知行動療法の全体像を分かりやすく学べるという点で
優れた本だと思います。
DACS質問用紙やJIBT-R質問用紙といった心理テストが
掲載されている点も、嬉しいポイントです。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!