今日は、社会不安障害(SAD)の方向けのワークブック、
『10代のための人見知りと社交不安のワークブック』を紹介します。
10代のための……とありますが、
年齢関係なく参考になる(使える)本です。
この記事では本書の紹介と「エクスポージャーの記入用紙について」、
そして「まっすぐ進めなくていい」というテーマで書いていきます。
この本は、認知行動療法(CBT)の中でも
エクスポージャー(曝露療法)よりの内容となっています。
※エクスポージャー(曝露療法):不安や恐怖を感じる状況や刺激に
段階的に挑むことで、慣らしていく療法(不適応反応を消去する)
通常、認知行動療法のワークブックでは、
認知再構成法(コラム法など)がメインとなっているものが多いので、
エクスポージャーがメインの本書は面白い存在ですね。
エクスポージャーに一人で取り組んでみたいという方の、
心強い味方になってくれると思います。
※認知再構成法(コラム法)については、
以下の過去記事をご参照ください。
本書の著者はアメリカの先生で、挿絵のイラストレーターもアメリカの方。
いかにもアメリカっぽい雰囲気をイラストから感じ、
私としては最初、馴染みにくい印象を受けましたが、
読んでいるうちに気にならなくなりました。
さて、本書のメインツール(記入用紙)である
「エクスポージャー表」について。
通常、エクスポージャーの記入用紙や行動実験の記入用紙では、
・行動の計画
・試したい考え
・予想されること
・問題発生時の対処法
・結果
・この行動から学んだこと
などの項目に記入していくのですが……
本書の記入用紙では、もっと充実していて
・認知のゆがみ
・適応的思考
といった、通常では認知再構成法(コラム法)で扱われる内容も
盛り込まれています。
「こういうやり方もあるんだな」と参考になりました。
私の考えとしましては、
エクスポージャーと認知再構成法(コラム法)は、
分けて取り組んだほうがやりやすいような気がしますが、
「まとめてやってしまいたい」という方には、しっくりくると思います。
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エクスポージャー(曝露療法)は、
計画通りにいかなくても当たり前。
いざ取り組もうとしたときに、想定していた以上に不安になって
回避してしまったりということもありますよね。
そういった場合は行動内容を見直して、
ハードルの高さを少し下げてみましょう。
そして、できることから取り組んでいきましょう。
真っ直ぐ、何事もなく進むということができなくても、
それでいいのです。
本書に、こんな記述がありました。
実のところ、道にあるデコボコをうまく切り抜けることを学ぶことで、あなたは運転がじょうずにもなりますし、自分の行きたいところに行く手助けにもなるのです。
●ジェニファー・シャノン著『10代のための人見知りと社交不安のワークブック』
(星和書店/2013/P103)より引用
計画通り何事もなく進める道は、ひょっとすると
同じところをぐるぐる回るだけの道かもしれません。
何事もなく進める平坦な道だけではなく、
デコボコした多少進みにくい道を通るからこそ
行きたいところに行く手助けになります。
これは、半分自分に向けて書きました。
私自身も成長していくために、
デコボコした道を選んで進んでいかねば!と改めて思いました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!