前田ケイ先生の本、
『基本から学ぶSST 精神の病からの回復を支援する』
を読みました。
SSTとは、ソーシャル・スキルズ・トレーニング
(Social skills training)の頭文字。
「社会生活技能訓練」という意味です。
SSTは、認知行動療法の1つの形態としてグループで行われているもの。
私も5月から不安障害の方を対象としたグループレッスンを
開催しているということもあり、参考にするために読んでみました。
『基本から学ぶSST 精神の病からの回復を支援する』には、
SSTの事例や特徴、原則、技法、準備、進め方、記録の残し方、
家族支援についてなど、SSTの全体像を見渡して
実践できるだけの内容が、ぎっしり詰まっています。
それに、巻末には「あるソーシャルワーカーの歩んだ道」
というタイトルで、前田先生ご自身がどのようにしてSSTと出会い、
道を切り開いてこられたかが描かれています。
戦後10年も経っていない1954年からハワイ・アメリカに渡り、
とことん学んでこられた前田先生の情熱が伝わってきました。
今のように簡単に海外を行き来するような時代ではなかったと思うので、
その行動力と真剣さに「すごい先生だなぁ……」と圧倒されました。
本書では、もちろんたくさんの技法を学びました。
今後、私のグループレッスンを進化させていく上で
有効なヒントもいくつも得られました。
でも、それだけではなくてハートの部分。
心構えの部分をがっつり教わったような気がします。
そもそもSSTは毎回固有なもので、
参加者に合わせてカスタマイズというよりは、
参加者と共に作り上げていきます。
そういう皆で作り上げる作用は、
私のグループレッスンでも働いています。
同じテーマで行っても、
参加者によって毎回少しづつ変化していく余地の
大いにあるところが、醍醐味の1つであると感じます。
(プログラムの内容自体も進化していきます)
本書にこんな記述がありました。
SSTセッションでの不成功を病気や当事者のせいにせず、支援者である自分自身の失敗と受け止めて、よりよいSSTをするための研究と創意工夫を続けましょう。
私がSSTを始めたばかりの頃は、患者さんがニコリともしないのは病気のせいだ、とか、宿題カードをなくした患者さんは本人の不注意が原因だと考えたものです。
しかし、私自身のやり方を工夫し改善することによって、患者さんは笑顔になり、宿題にも意欲をみせて、カードをなくしたと言い訳をしなくても済むことがわかってきました。
●前田ケイ著『基本から学ぶSST 精神の病からの回復を支援する』
(星和書店/2013/P51-52)より引用
「よりよくするための研究と創意工夫」
大事なことですね。
私もとことんやっていこうと考えています。
プログラム的にも、レジュメ的にも、
講師(SSTではリーダー)としての自分自身のあり方的にも、
どんどん進化していくことは私にとっては必須事項。
最近はほぼ毎晩、グループレッスンのプログラム作成や、
よりよくするための研究・改善に時間を割いています。
上記引用文にある
『やり方を工夫し改善することによって、患者さんは笑顔になり、
宿題にも意欲をみせて、言い訳をしなくても済む』の部分。
しっかり心に留めて、私なりに精一杯取り組んでいきます。
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最後に、「あるがままグループレッスン(第2回)」のご連絡を。
7月19日(日曜日) 午前10時から開催します。
不安障害の方限定のグループレッスンですので、
不安を抱えたままでも、緊張したままでも安心してご参加ください。
すでに数名申し込みをいただいていますので、
興味のある方はお早めに、以下のページで詳細をご確認くださいね。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!