今日は、ヒックス夫妻(エイブラハム)の引き寄せの本、
『実践 引き寄せの法則』を紹介します。
※副題は、「感情に従って”幸せの川”を下ろう」です。
引き寄せの法則と認知療法の共通点に着目しながら
書いていきます。
『実践 引き寄せの法則』には、
引き寄せの法則という観点から見た
「感情」についてが主に書かれています。
より幸せになれる方向につながる自然な流れ。
その流れに抵抗せずにうまく乗るためには
感情を上手にコントロールすることが必要。
具体的には、
「自分の気持ちが楽になる考え方を心がける」
のがよいということです。
本書には、33もの事例において
「流れに逆らっている考え方」を「流れに乗っている考え方」に
変えていくプロセスが解説されています。
例えば、「恋人に捨てられました」という事例では、
少しずつ前向きな思考を探そうという過程において……
「わたしはショックを受けて落ち込んでいる。どうしていいかわからない」
「こんなことが起こるなんて、信じられない。彼こそ運命の人だと思っていたのに」
(P308)
※無力感に飲み込まれた状態(ここからスタート)
↓
「こんな目にあうのはもうたくさん。二度とこんな経験をするものか」
「わたしがこんな目にあっていいはずがない」
(P308)
※少なくとも、ベッドから出る気になれる思考
↓
「今度のことは決して後悔はしていない」
「彼との関係のおかげで、自分がどういう人間で、何を求めているのかがいっそうはっきりした」
(P309)
※受け入れることができつつある思考。前向きになってきた。
↓
「実は一人になってせいせいした面もある」
「この経験のおかげで、今度はもっといいことが起こるに違いない」
(P310)
※より前向きになることができる思考。だんだん明るい気持ちに。
●引用文は全てエスター・ヒックス、ジュリー・ヒックス著
『実践 引き寄せの法則 感情に従って”幸せの川”を下ろう』
(SBクリエイティブ/2008)より引用
……という風に、
本書には考え方を変えていったプロセスが書かれています。
読んで思ったのですが、
このプロセスは正に、認知療法(認知再構成法)そのものですよね。
※認知再構成法については → こちら参照(過去の記事)
上に引用した事例でも、
思考、行動、感情、身体反応の悪循環(認知療法の基本モデル)
を促す自動思考を、適応的な思考になるように
段階的に修正していることが見て取れます。
確かに、「思考が変わると感情が変わり、現実も変わる」
という点では、引き寄せの法則も認知療法も共通していますね。
これは、認知療法が心の病の治療法としてだけではなくて
目標達成をするためのスキルとしても活用できる
ということを示していると思います。
(認知療法に取り組まれている方へ。そのスキルは将来にも役立ちますよ!)
『実践 引き寄せの法則』には、
上で引用したような思考を変えていくプロセスが
260ページに渡り、33事例も載っています。
引き寄せの法則を学ぶための定番の一冊ではありますが、
認知療法の反証や適応的思考を見つけるための
参考書としても使える本です。
引き寄せの法則が好きな方だけではなく
認知療法の反証や適応的思考を見つけるのが
苦手な方にもお勧めします。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!