不安障害の認知行動療法(社会恐怖) 曝露療法の目標設定 2

今日は、前回の記事「曝露療法の目標設定 1」で設定した
曝露療法の達成目標、

「地元の定食屋さんで、親友2人と、箸を使って定食が食べられるようにする」
(最終目標)

これを、いくつかの段階に分ける作業を紹介します。

 

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最初に、目標をいくつかの段階に分けた後のことを
書いておきます。

いくつかの段階に分けた目標(曝露の予定)は、
難易度の低いものから順に行動に移します。

 

そして、その行動による不安度が下がるごとに
少し難易度を上げた次の目標に移行します。

最終的には、上に挙げた最終目標が
達成できるようにします。

 

目標を、いくつかの段階に分ける。

例えば
「ファミリーレストランで、母親と、フォークを使ってパスタを食べる」
(段階的な目標A)

こういった目標を、少しずつ難易度を変えながら
いくつか設定します。

そのときのコツは、以下の点を変化させながら
設定することです。

 

誰:目標に向かって取り組んでいるとき誰が一緒にいるか

何:目標としてどんな行動を設定するか。はっきりと具体的に決めること

時間:課題をいつ実行するか

場所:課題をどこで実行するか

長さ:どれくらいの時間課題を行い、その場にいるか

●アンドリュース、クリーマー、クリーノ、ハント、ランプ、ペイジ共著
『不安障害の認知行動療法(2)社会恐怖』
(星和書店/2003/P126)より引用

 

上の点を変更していく形を考えると、
段階的な目標設定がしやすくなると思います。

 

【例】※上の(最終目標 → 段階的な目標A)の場合

誰:親友2人と → 母親と

何:箸を使って定食を食べる → フォークを使ってパスタを食べる

場所:地元の定食屋さん → ファミリーレストラン

 

ここで1つ、ポイントを……。

設定した目標の中には、
「易しすぎるもの」や「難しすぎるもの」なども
含まれているかもしれません。

 

基本的には、「今」の時点で、
達成できる可能性が約75%であるような目標から
スタート(行動開始・曝露開始)します。

そして、それが達成できたら、
1段難易度の高い次の目標に挑みます。

※達成=行動を繰り返す(不安や緊張の場面に何度も身をさらす)
ことによって、その場面での不安度が下がること。

 

「易しすぎる目標」は、曝露療法としての効果が少なくなるので
目標のリストから省きます。

 

以上、「段階的曝露の目標設定」の方法について書きました。

上手く伝わりましたでしょうか……。

(段階的な目標の例を、1つしか挙げなかったので……)

しっくりきた方は、参考にしてみてください。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!