今日は
『不安障害の認知行動療法(1)パニック障害と広場恐怖』
という本を紹介します。
「パニック発作の徴候が表れたときに、していただきたい呼吸法」
(過呼吸の対処法)についても書いていきます。
本書は、認知行動療法を用いる
不安障害専門カウンセラーの私にとっては
バイブル的な大事な本です。
同シリーズの本には、
(1)パニック障害と広場恐怖
(2)社会恐怖
(3)強迫性障害とPTSD
が、あります。
今日紹介の
『不安障害の認知行動療法(1)パニック障害と広場恐怖』は、
治療者向けの章が5つと「患者さん向けマニュアル」の章が1つで
構成されています。
「患者さん向けマニュアル」のみ抜粋した
不安障害の認知行動療法〈1〉パニック障害と広場恐怖―患者さん向けマニュアル
(リンクはAmazon)という本も、別に存在しています。
『不安障害の認知行動療法(1)パニック障害と広場恐怖』は
専門性の高い本格的な内容の本なので
私は何度も繰り返し読んで、自分の中に知識を落とし込んでいます。
「パニック障害と広場恐怖」「認知行動療法」
「薬物療法」「リラクゼーション」など、
症状や治療法について幅広く書かれている本です。
※ただし、認知療法のセッションの
構造化や進め方についての記述は少ないです。
……前置きが長くなりましたが、ここから
「パニック発作の徴候が表れたときに、していただきたい呼吸法」
(過呼吸の対処法)を紹介します。
過呼吸になったかな、と思ったら
すぐにやっていただきたい方法です。
・その時にやりかけていることをやめて、腰をおろすか何かにもたれかかる
・息を止めて、10数える(このとき深く息を吸わないこと)
・10まで数えたら、息を吐く。そして、静かに、ゆっくりと、「リラックス」とか「落ち着こう」と、自分に言い聞かせる。鼻を通して息をすることを忘れないこと。
・6秒に1回の速さで呼吸する。3秒間息を吐いて、3秒間息を吸う。これで1分間に10回呼吸することになる。息を吐くたびに、先程のように、自分に向かって「リラックス」とか「落ち着いて」と言い聞かせる
・10回呼吸するたびに(つまり、1分ごとに)、10秒間息を止めて、それからまた、6秒に1回の呼吸を続ける
・過呼吸の症状がすべて消失するまで、この呼吸を続ける。
●アンドリュース、クリーマー、クリーノ、ハント、ランプ、ペイジ共著
『不安障害の認知行動療法(1)パニック障害と広場恐怖』
(星和書店/2003/P145-146)より引用
※「患者さん向けマニュアル」にも記載してある部分です。
過呼吸は、交感神経優位の「逃げるか戦うか」反応
(実際には敵がいないのに、敵に対して構えた状態になる)
の1つです。
呼吸のしすぎ(速すぎ、深すぎなど)によって
血液中に必要な二酸化炭素が
少なくなりすぎた状態を招きます。
なので、過呼吸になったかな、という場合は
上の方法で酸素の取り込む量を少なめに調整し、
血液中の酸素と二酸化炭素のバランスを整えるのが有効です。
※このとき、大量の酸素を取り込むような深い呼吸は逆効果です。
過呼吸の徴候に気づいたら、
すぐに上の呼吸法を思い出して実行する。
(事前に練習しておくといいですよ)
それを習慣づけると、過呼吸やパニック発作を
上手くコントロールできるようになってくると思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!