不安障害でお悩みの方には
過敏性腸症候群(IBS)を併発されている方が
時々おられます。
そういった方への適切な対応を学ぶために
『過敏性腸症候群の認知行動療法』
という本を読んでみました。
専門書なので、これで普通なのだと思いますが、
翻訳された文章が若干かためなので
理解するまでに何度も繰り返し読むことが必要でした。
そして、繰り返し読んでいるうちに
過敏性腸症候群に対する認知行動療法の全体像が見えてきました。
「思考」「気分・感情」「身体症状(反応)」「行動」の
4つの相互作用(悪循環)に着目する点は
通常の認知行動療法の基本モデルと同じ。
過敏性腸症候群を
コントロール不可能な医学的問題として
見ている状態から抜け出し、
部分的にでも症状をコントロールできるという信念に
クライエントさんがシフトしていくことをねらう。
そして、症状や辛い感情に対処するための
コーピングスキルも身に付けていただく。
もともと認知行動療法を活用する場合は特に、
クライエントさんお一人お一人に合わせて
カスタマイズしながらセッションを構築するのですが、
そのカスタマイズの中に、過敏性腸症候群への対処も
組み込んでいけるということが分かりました。
『過敏性腸症候群の認知行動療法』には、
一つ一つの具体的な進め方が書いてあります。
本書だけを読むというよりは、他の専門書にある
認知行動療法の基本モデルや各疾患向けの標準モデルなどと
比較しながら読むと、より深く学べる本だと思いました。
※基本的に、『過敏性腸症候群の認知行動療法』は
認知行動療法を理解している専門家向けの本です。
私としましては、過敏性腸症候群を自分の専門外と捉えずに
不安障害に対して取り組むセッションの中に
必要に応じて組み込んで、対応させていただこうと考えています。
不安障害とセットでお悩みの方、
たくさんいらっしゃいますので、
私も真剣に受け止めていきたいと思っています。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!