『こころのりんしょう a・la・carte Vol.25(No.3) 不安障害特集』
という心の専門誌を読みました。
今日は、その専門誌の簡単な紹介と、
「不安除去の手段が、新たな悩み(不安)の種に」
というテーマについて書いていきます。
『こころのりんしょう a・la・carte』は、
病気や治療に関する
たくさんの先生方の考え方が学べる本です。
それぞれ違った療法を用いる先生方が
記事(論文)を書いておられますので、
いろいろな切り口からの知識が得られます。
今回読んだのは、私の専門である「不安障害」の特集号。
深い関心を持って、読み進めました。
中村敬先生が書かれた論文の中に
印象的な記述がありました。
不安障害の患者は、不安を除去する手立てを切望する反面、薬の副作用や依存性に対する不安を人一倍抱きやすいというアンビバレントな心理を有している。
要するに不安除去の手段が新たな不安の種になるというパラドクスであり、それだけに薬には「頼りたいが、頼ることもまた不安」なのである。
●『こころのりんしょう a・la・carte Vol.25 不安障害特集号』
(星和書店/2006/P358)中村敬先生の論文より引用
「不安除去の手段が、新たな不安の種になる」
「頼りたいが、頼ることもまた不安」
そうなんですよね。
不安障害の傾向として、
どうしても物事の不安な面ばかりに
意識を持っていってしまう。
そして、自分の中で不安を
どんどん大きく膨らませてしまう。
これは、薬に対してもそうですし、
対人関係の中でもそういう傾向になってしまいがち。
なかなか身動きが取れなくなったりして
辛い状態ですよね。
そういったことも、不安障害でお悩みの方が
カウンセラーなどの専門家のところに行かずに
ずっと一人で悩み続けることの多い原因に
なっているのかなと思いました。
※ご自分の過度の緊張を、病気ではなく
自分の弱さのせいだと捉えている人も多いです。
(以前の私もそうでした。プロフィール参照)
少しずつ背伸びして、不安なことにも挑戦してみる。
挑戦できた自分のことを褒めながら、
少しずつ自分を不安場面に慣らしていく。
そして、小さな成功体験を積み重ねていく……。
不安障害を克服していく上での
1つのポイントです。
辛い状態から抜け出せずに
お一人で悩んでおられる方は、
信頼できる専門家を探してみることから
始めてみてはいかがでしょうか。
小さな一歩、だけど勇気が必要な一歩。
その一歩が、開ける未来につながるかもしれません。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!