星野仁彦先生の本、
『機能不全家族』を読みました。
今日はこの本の簡単な紹介と、
本書より引用しながら「中年期の危機」について書いていきます。
この本は、家族の問題に焦点を当てて
深く掘り下げた本というよりは、
機能不全家族で育った子どもや発達障害を持つ子どもが
大人になってから、
どんな問題に直面するか(したか)について記された本です。
もちろん育った家庭の環境の話も出てきますが、
それだけにはとらわれず、
幅広い病気や症状について書かれています。
話が色々な場面に切り替わるので、
機能不全家族についてじっくり学ぶというよりは、
広く見渡しながら知るという目的の方が
合っている本だと思います。
本書の中に「中年期の危機」というテーマも
取り上げられていました。
慶応大学医学部精神神経科の濱田秀伯医師によれば、ミドルエイジ・クライシスに発症するうつ状態として、女性の「更年期うつ病」「空の巣症候群」のほか、中間管理職のサラリーマンが上司との板挟みになって発症する「サンドイッチ症候群」、「もう出世は見込めない」という現実を知り、先が見えないことでむなしさに襲われてうつ状態になる「上昇停止症候群」、解雇され失職して発症する「リストラうつ病」などがあります。
このようにミドルエイジは、心身のクライシス状態であるため、精神科産業医をかかえる企業が増えています。
●星野仁彦著『機能不全家族』(アートヴィレッジ/2007/P151)より引用
中年期は、人生にとって重大なライフイベントが
起こりやすい時期です。
子どもの独立や親の介護、親との死別、
離婚、昇進、転職、失職などに加えて、
健康面での不安も増大してきます。
40~50代の皆さまは、いかがでしょうか?
私自身も「若い頃のようにはいかないなぁ」ということに、
最近しばしば直面しています。
例えば仕事面で。(機械技術の仕事の方)
会社に属さずフリーで仕事をしているので、
必ずしも常に売上げが安定しているわけではないのですが……。
そんなときでも何とかやってこれたのは、
「いざとなったらどうにでもできる(別の稼ぎでフォローできる)」
という思いと、実際にそうしてきた機動力があったからです。
でも、40代後半になった今では……。
以前と同じつもりで「どうにでもできる」と思っていても、
実際にはそうはいかないことも多い。
機動力も、体力も落ちているし、
年齢が障害となって仕事が取れないこともあります。
使ったことのないCAD(図面を描くソフト)を1から覚えることに、
拒絶反応も起こります(泣)
他にも、取引先自体が儲かっていなかったり、
外注(私を含む)に依頼することをやめる会社が出てきたり……。
※世の中も、どんどん変わってきていますよね。
それに、「若いときほど、人生に時間が残されているわけではない」
ということも、プレッシャーになっています。
そんな色々な要素が重なって、
「いよいよ本当にヤバイ」という危機を
私も感じることがあります。
仕事のないフリーは失業者と同じですから、
気分は結構ヘビーになります。
「職に就けない、仕事がない」という状態は、堪えますよね……。
感じ方は人それぞれではありますが、
私にとってはとても嫌な状態です。
そんなとき、私を救ってくれるのは、
認知行動療法のスキルです。
認知再構成法で思考の幅を広げて、
問題解決法で具体的な対策を案出し、実行していく。
実際に危機の中に身を置いて実践するわけですから、
これがすごく認知行動療法の勉強になります。
危機に直面したときに得られる、私の「メリット」です。
今、中年として生きて、これからも色々なことが起こると思いますが、
「何ができるか」をしっかりみつめ、「できることを、1つ1つやっていく」。
この繰り返しで、やっていこうと思います。
私よりもずっとずっと大変な中で、
それでも負けずに取り組んでおられる方、進んでおられる方、
たくさんおられると思います。
特定の誰かに対してではないですが、
尊敬の念を抱きますし、勇気をいただいたりもしています。
今が頑張りどころの私。
視野を広くして、可能性を広くみつめて、
取り組んでいきます。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!