平井愼二先生の本、『条件反射制御法』を、
今日読み終えました。
なかなか興味深い内容でした。
今日は前回の記事に引き続き、『条件反射制御法』を読んで
感じたことや考えたことなどについて書いていきます。
↓前回の記事へのリンク
条件反射制御法~まずは刺激と反射についての復習から
依存症などに効果があると言われている
「条件反射制御法」。
基本的には、依存性物質の摂取などをやれない状態に
患者さんが身を置いて、支援者のいる環境で行う方法です。
以下の4つの段階に分かれています。
1.負の刺激ステージ:
(依存衝動に対する)負の刺激としての動作と言葉を反復。
(「私は今、○○はやれない」と言いながらの特定の動作など)
2.擬似ステージ:
依存物質の摂取の真似など、望まない神経活動の真似を反復。
(あくまで真似であり、実際には報酬は獲得しない)
3.想像ステージ:
自分が行ってきた依存物質の摂取など、
望まない神経活動を閉眼して思い出すことを反復。
4.維持ステージ:
退院後でも条件反射制御法を継続するためのステージ。
シンプルに書くと上のようになりますが、1つ1つのステージには、
細かく実行すべき行動や守るべきポイントが設定されています。
基本的には入院向きの方法なので、
入院施設を持たないカウンセラーが、
そのまま活用しようとしても思うように効果を再現できないかもしれない。
「いつでもできる」日常、「トリガー(きっかけとなるもの)にあふれる」日常に
戻ったクライエントさん(重度の依存症の方)に、
細部まで忠実に実行してもらうのは少々無理があるように感じました。
※細部まで忠実に実行してもらうところに、
この方法が効果を発揮するか否かのポイントがあると思います。
依存症の度合いによっては、
入院施設を持たなくても対応できる領域は、あるとは思います。
だからといって、条件反射制御法が使えない方法だと
判断したわけではありません。
条件さえ揃えばかなり効果的な方法だと考えています。
そもそも条件反射(後天的に獲得した反射。刺激によって誘発される)を
制御するということは、
不安障害やストレス障害でお悩みの方にとっても大いに助けになること。
私としては、条件反射制御法からいくつかの部分のエッセンスを抽出して、
他の方法と組み合わせて活用していきたいと思いました。
★重度の依存症の方を対象とせず、
不安障害やストレス障害の方のみを対象とする。
(「自動的に起こってしまう反応」に対しての取り組みなど)
(不安障害と併発している依存症についても、なるべく対応したい)
★クライエントさんが1人でいるときでも
取り組むことができるように工夫する。
そのような形で活用していきたいですね。
まずは、じっくり時間をかけて慎重に
検討なり実践なり試行錯誤なりしていこうと思います。
関連の専門書も、あと何冊か読んでみます。
今回読んだ、平井先生の『条件反射制御法』。
「刺激-反射」のメカニズム等、
条件反射制御法そのもの以外にも学び多き1冊でした。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!