野田順子先生の本、
『女性のうつ病』を読みました。
今日はこの本の簡単な紹介と、
月経前症候群(PMS)、産後うつなどの
女性ならではの悩みについて取り上げていきたいと思います。
書籍『女性のうつ病』は、
一般の方向けに読みやすく書かれている本です。
大うつ病、現代型うつ病、その他うつ状態の見られる病気について、
症状・原因・治療法など幅広い情報が詰め込まれています。
本書の一番の特徴は、タイトルにもあるように、
女性ならではの症状について詳しく解説されている点。
・月経前症候群(PMS)
・不妊症
・産後うつ
・育児うつ
・更年期
・結婚後の生活の変化(社会からの孤立、夫からのDVなど)
について、男性にも理解しやすいように書かれています。
(女性の方が、パートナーの男性に読んでもらうのにもいい本だと思います)
「女性は男性の2倍うつ病にかかりやすい」というデータを時々目にしますが、
本書によると、女性ホルモンの変動が影響しているのではないかと
考えられているとのこと。
その部分を引用しますと……
女性に患者さんが多いのは、月経周期や妊娠などで、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)などの女性ホルモンの変動が激しく、その影響があると考えられます。
さらに、女性のさまざまなライフイベントと、それに伴うストレスが負荷になるといった、うつ病にかかりやすい状況が数多くあるからです。
●野田順子著『女性のうつ病』(主婦の友社/2013/P20)より引用
エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という
女性ホルモンの具体的な名前が出てきました。
それぞれ、どんな風に女性の心に影響しているのでしょうか?
エストロゲンは副交感神経に働き、感情を安定させ、プロゲステロンは交感神経に働き、感情を不安定にさせます。
また、エストロゲンは、神経伝達物質のセロトニンを介して感情の調節にかかわっています。
変動があると、ストレスに対する抵抗力が低下するといわれています。
●野田順子著『女性のうつ病』(主婦の友社/2013/P20)より引用
それぞれ、自律神経の副交感神経と交感神経に作用しているのですね。
女性ホルモンの変動が、自律神経のバランスの乱れにつながる。
だとしたら、うつ病だけでなく、
不安障害(社会不安障害、パニック障害など)の発症にも
影響していると考えられますね。
月経前症候群(PMS)にしても、産後うつや更年期にしても、
女性ホルモンの変動が関連しています。
それだけ、女性には自律神経のバランスを乱す要因が多い。
それは、感情が不安定になる要因が多いということでもあります。
今回『女性のうつ病』を読んで、
カウンセラーとしてはもちろんのこと、1人の男性としてもしっかり理解して、
思いやりの心を持って対応していきたいと、改めて思いました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!