死にたいままで生きています

咲セリさんが、ご自分の体験を綴られた本、
『死にたいままで生きています。』を読みました。

 

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咲さんは、思春期の頃から依存症、強迫性障害、
境界性パーソナリティ障害、双極性障害などを抱えておられ、
ご自分のココロ(辛い症状)と戦ってこられた女性です。

『死にたいままで生きています。』には、
そんな咲さんの戦いながら生き抜いてきた体験の数々が、
赤裸々に描かれています。

 

「ただただ愛されたかった…」

その思いや欲求が衝動となり、
様々な、自分自身を苦しめるような行動を起こしてしまいます。

読みながら、咲さんの苦しさがひしひしと伝わってきました。

 

私は物心ついた頃から、自分以外の人や動物に異常なまでの感情移入をした。

心を病んでから、なおそれは激しくなった。

●咲セリ著『死にたいままで生きています。』(ポプラ社/2015/P81)より引用

 

咲さんには、遠い国で起きている戦争や住処を追われる動物たちに対して、
「自分が何もできない」ことを辛く感じ、
どんどん落ち込んでいくような傾向がありました……。

それに対して、「自分と他との境界線の不安定さ」とか、
ご自分の辛さと重ね合わせて感じているとか、自責の傾向とか、
言うのは簡単ですが……。

 

私は「境界線が不安定」なだけでなく、「愛されたい」だけでもなく、
「愛したい」咲さんの存在も強く感じました。

その「愛したい」の対象の中には、自分以外の人間や動物だけでなく、
「咲さんご自身」のことも、きっと大きく含まれている。

そんな風に、私は感じました。

 

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「人や動物を愛したい」

「自分自身のことも愛したい」

そして、

「人や動物、自分に対して、愛おしさを感じている自分
(愛することができている自分)と出会いたい」

そして、さらに、

「自分の中にある愛を、自分以外の人や動物と分かち合いたい」

「愛でつながりたい」

 

私は、いろいろな感情が入り混じっているのを、読みながら感じました。

でも、これは、あくまで今回私が感じたことで、
事実と合致しているかどうかは、本を通してだけでは分かりません。

また、次回もう一度読むと、また違ったように感じるかもしれません。

その辺は、お許しを。

 

もともと「愛を心にたくさん持つ女性」である咲さんが、
子どもの頃の環境からは「愛されている」ことを感じられなかったし、
「咲さんの中にある愛」も、人からは大切には扱ってもらえなかった。

愛を心にたくさん持っているからゆえに、
愛を感じられなかった現実とのギャップがより大きくなり、
さらに彼女を苦しめた。

そんな風に、私には思えたのです。

(脳機能、神経伝達物質の障害という側面は、横に置いておいて)

 

咲さんは、自動販売機の陰でみつけたネコさん
~骨と皮しかない状態で、病気にもかかっていた~
を、連れ帰って一生懸命世話をしました。

そして、そのネコさんと同居できる家に引っ越すために、
全く素人だった在宅Webデザイナーの仕事を始めます。

 

全くの素人の状態からインターネットで調べながらの独学で、
専門職として成り立たせてしまった咲さん。

これは、ものすごくエネルギーの
いることだったのではないかと思います。

 

ひょっとすると、双極性障害の影響(躁転?)があるのかもしれませんが、
私には真似ができないなと思いました。

全ては、ネコさんと一緒に暮らすための頑張り
(衝動的なもの含めて)です。

すごいエネルギーであり、
そこには前述したような「愛」があるように感じました。

 

咲さんが「治るのではなく成長する」(P118)過程において、
旦那さんのサポートが大事な役割を果たしています。

そこには、決して見捨てず向き合ってくれた
旦那さんの大きな「愛」があります。

 

「愛」に苦しむココロを救うのは、
やっぱり「愛」なんだなぁと思いました。

私自身も、クライエントさんに対して、
「愛」(恋愛ではない、執着でもない、自立した純粋なもの)を、
よりたくさん持って、かかわっていこうと思いました。

 

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●不安障害 克服へのプロセス

不安障害(社会不安障害、パニック障害等)を克服するプロセスは、
上がったり下がったりを繰り返しながらも、
全体的には克服に一歩一歩近づいていくようなイメージです。

一時的に落ち込んだり、逆戻りしたと感じるようなことがあったとしても、
前を向いて取り組んだことは、必ずプラスとして蓄積されています。

ほんの小さなことでも構いませんので、
不安障害の克服につながる「できること」を積み重ねていきましょう。

そして、取り組んだ後は、
「よく頑張ったね」と自分のことを褒めてあげてくださいね。

「何を」「どのように」取り組めばいいのか分からない方、
もっと自分に合わせた方法を知りたい方、
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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!