今日は、今読んでいる本
『新版 転移/逆転移』を紹介します。
私の逆転移の体験談(失敗談)なども
書いていこうと思います。
本の紹介の前に、
「転移」「逆転移」って何?という方のために
それらの意味を、大ざっぱに
(ユング派、フロイト派の違いなどを考慮せずに)
書いておきますね。
「転移」
クライエントが、過去に親など重要人物に
向けたのと同じ感情・態度を カウンセラーに向けること。
「逆転移」
クライエントからの言動(転移)に刺激されて、カウンセラーが
私的感情(好意、嫌悪など)・態度をクライエントに向けること。
「転移/逆転移」の感情に飲み込まれずに、
それをいかにカウンセリングに活かしていくかというのが
いいカウンセラーで有り続けるための
(永遠の)テーマの一つであると思います。
ここから本の紹介に入ります。
『新版 転移/逆転移』は、氏原寛先生や成田善弘先生を含めた
著名な実力ある先生方12名が書かれた
「転移/逆転移」に関する論文を集めた本です。
「転移/逆転移」に飲み込まれずに活かしていくためには
カウンセリング関係の中で、自分とクライエントに
何が起こっているのかに気づくことが必要ですが、
本書は、その気づきのセンサーの感度と、
理解力・分析力を向上させてくれるような本です。
(ただし、そう簡単なことではないです)
私は本書を読みながら、心地よいぞくぞく感を感じました。
内容の素晴らしさに感動し、
「こういう本が欲しかったんだ」と
魂が喜んでいるように感じました。
ここから私の体験談(失敗談)を。
実は以前、時間・場所・役割などの枠組みをしっかり設けずに
安易に行ってしまったカウンセリング・セッションにおいて
相手が陽性転移(カウンセラーに特別な好意を抱くこと)
を引き起こしたことがあります。
その結果、私は相手に数ヶ月間に渡り、
付きまとわれることになりました。
相手の中に「私(A-1)の知らない私像」が形成されて、
「私の知らない(2人の)ストーリー」が勝手に展開される。
それを私が否定しても、相手には決して伝わらない。(防衛)
私の感情などお構いなしに、
それがあたかも当然であるかのように
私を自分の領域に引き込もうとしてくる。
あるいは、私の領域に踏み込んでくる。
そのとき、私は何とも言えない不気味さと
つかみどころのない恐怖を感じました。
『新版 転移/逆転移』には、
本を何冊も書いておられるような著名な精神科医が、
転移/逆転移によって恐怖を感じた事例が
載せられています。
私はそれを読んで、
「すごい先生でも、やっぱり恐怖を感じるんだな」と
少し安心することができました。
心のどこかで、
「恐怖を感じてしまった=専門家としてふさわしくない」
というレッテルを自分に貼っていたようです。
『新版 転移/逆転移』は、カウンセラーとしての私を
向上させてくれるとても深い本です。
何度も読み返しながら、自分のセッションに
活かしていこうと思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!