集団認知行動療法実践マニュアル ~集団CBTの全体像

最近、集団認知行動療法(集団CBT)というものに
興味を持ちました。

これは、通常マンツーマンで行う認知行動療法のセッションを
グループで進めていく方法です。

 

「果たして自分にも開催できるものなのか?」

「まずは、集団CBTのことをもっと知ろう」

 

……ということで、
集団認知行動療法実践マニュアル』(中島美鈴/奥村泰之編)
という本を読んでみました。

 

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すごく丁寧に、細かく集団認知行動療法について
教えてくれる本なので、

集団認知行動療法の全体像や企画・構築の方法、進め方、
発生しうる問題点などが掴めてきました。

 

本書を読んだ後に私の中に出来上がった
集団認知行動療法(集団CBT)の全体像は、以下の通りです。

 

★通常、デイケアなどの施設で、
組織ぐるみで運営チームを作って行われている。

★進行役のリーダーと、
スタッフ(一人当たり参加者2~3人をフォローする)が必要。
(参加者が20名ならば、スタッフは7~10名必要)

★通常、5~15回程度のセッションで1セット。

★プログラムやテキストは、役割分担をしながら
運営チームで作る。

★運営チーム内でミーティングを重ねて、
バージョンアップや問題への対処を行う。

★参加者を決定する前に、参加希望者の事前面接をして
症状・性格・知的水準・取り組み方などあらゆる面で
なるべく同質の参加者を集める。

 

読んでみてはっきりしたのは、
個人開業のカウンセラーがパッと思いついて
やれるようなものではないということです。

 

私一人で、学校の授業のように、
認知行動療法の取り組み方の講義をしたとしても、

参加者一人一人の話をじっくり聴いたり
十分フォローしたりすることはできません。

 

「参加してみたけれど、よく分からなかった」
「やっぱり私には、認知行動療法は無理だ」
「あの人は理解できているのに、私には理解できなくて悲しい」
「もう参加するのはよそう」

 

……などという人を量産してしまいかねないので、
認知再構成法を組み込んだ集団認知行動療法を行うのは、
止めておこうと思いました。

 

【2015年7月30日追記】

2015年5月より不安障害の方を対象とした
グループレッスンを開始しました。

そのプログラム内において、
集団認知行動療法も行う予定です。

私自身の経験値&スキルのアップと
プログラムの工夫によって可能になりました。

 

お悩みの方同士(日常世界でつながりのある)が
集まって教えあうというのなら、ありかもしれないけれど、

プロ(日常生活でつながりのない専門家)として行う場合は、
求められるものも多く、グッとハードルが高くなります。

 

エビデンス(効果があることを示す証拠、検証・臨床結果)
があることを、責任を持って実施する。

そのあたりも守っていきたいと考えています。

 

認知行動療法(CBT)については、
クライエントさんと協同関係を作り、しっかり話を聴いて、

クライエントさんに合わせてカスタマイズをしながら
進めていくという点が重要なだけに、

やはり個別対応のみにしたいと思います。

 

今回、集団認知行動療法を私一人で構築・運営していくのは
無理と判断しましたが、

他の方法で、集団に対して何かできることはないかということは
いつも考えています。

 

認知行動療法にこだわらずに、もっとテーマを絞り込んで、
全員参加型の何かがやれるといいなと思っています。

とりあえず、今日の段階ではまだ考え中です。

 

【2015年7月30日追記】

2015年5月より不安障害の方を対象とした
グループレッスンを開始しました。

そのプログラム内において、
集団認知行動療法も行う予定です。

私自身の経験値&スキルのアップと
プログラムの工夫によって可能になりました。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!