今日は、『いやな気分よ、さようなら』の著者として有名な
デビッド・D・バーンズ博士の本、
『不安もパニックもさようなら 不安障害の認知行動療法』
を紹介します。
本書は、認知行動療法を
自分で取り組んでみたいという方向けの本です。
パニック障害や強迫性障害、PTSDなどを含めた
不安障害を対象としています。
本書の特徴は、まず分厚いこと。
まるで辞書のようなサイズです。
厚さが約4cmで、755ページもあります。
持ち運ぶのには適していないし、
読み切るのにもエネルギーが必要です。
本書は良書ではありますが、
現在心の症状で消耗されている方には
お勧めしにくい本でもあります。
本書には、40もの認知行動療法の技法が
解説されています。
40といっても、通常一つにまとめられている技法が
小分けされているような部分も多いです。
それによって、文字数が増えて、
かえって複雑化してしまっている印象も受けます。
内容的には、奇をてらった珍しい技法などは無くて、
全て納得のいくものばかりです。
私しては、技法をそのまま使うのではなくて、
アイデアの部分を抽出して
「自分のスタイル」(自分のセッション)に
盛り込んでいこうと思いました。
認知行動療法の主要な技法の一つである
認知再構成法についても、
もちろん本書で採り上げられています。
進め方として、複数のツール(用紙)を用いるので、
1枚の用紙で済むコラム法に慣れている方にとっては
取り組みにくいかもしれません。
何だか、とっつきにくさばかりを並べてしまいましたが、
本書には参考になる記述がたくさん詰まっています。
私は本書を読みながら、
自分のセッションに活かせるアイデアが
色々浮かんできました。
例えば、シンプルなこの記述から……。
曝露には3つの種類があります。
古典的曝露、認知的曝露、そして対人曝露です。
●デビッド・D・バーンズ著
『不安もパニックもさようなら 不安障害の認知行動療法』
(星和書店/2011/P428)より引用
古典的曝露とは、
実際の恐怖(場所、物、環境、状況など)と対峙すること。
認知的曝露とは、恐れている対象と心の中で対峙すること。
対人曝露とは、他人と関わるときの恐怖と対峙すること。
いずれの曝露も、私自身がSAD(社会不安障害)に
悩まされていた頃から活用してきましたが、
今回思ったのは、認知的曝露(イメージの中での曝露)の技法を
専門家として、もっと磨いていきたいということです。
認知的曝露は、不安障害によくみられる
「予期不安」への対処・対策としても活用できると思います。
通常、インナーチャイルドの癒しのセッションなどで使用する
ヒプノセラピーやクォンタムタッチ(ヒーリングの一種)の技術を
組み合わせると、さらにいいものができそうなので、
じっくり考えてみようと思います。
最後にまとめます。
あくまで私見ですが、
現在、心の症状でお悩み中の方が読まれる場合は、
『不安もパニックもさようなら 不安障害の認知行動療法』は、
サブの本として、読みたいところだけピックアップしながら
読むのにお勧めです。
メインの本としては、
『うつと不安の認知療法練習帳』(過去記事へのリンクです)
(じっくり技法を学びたい方向け)
または
『こころが晴れるノート』(過去記事へのリンクです)
(シンプルに要点を学びたい方向け)
の方が、取り組みやすいと思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!