先日書いた
「不安除去の手段が、新たな悩みの種に」という記事で、
「頼りたいが、頼ることもまた不安」という
不安障害の方が陥りやすい心の傾向を取り上げました。
今日は、私の体験談を混ぜながら
そのあたりをもう少し掘り下げていきたいと思います。
心の中に同居している「頼りたい」と「頼りたくない」。
バランスは、人それぞれです。
「頼りたい」傾向が優位の人は
いつか訪れる分離のときを恐れます。
「頼らずに自律していたい」傾向が優位の人は
何か(人や薬など)にコントロールされることによって
無力な存在になってしまうことを恐れている場合が多いです。
※どちらがいいとか悪いとかの話ではありません。
私が社会不安障害だった頃(プロフィール参照)を
思い出してみると、明らかに
「頼らずに自律していたい」が優位でした。
※自律:他からの支配・制約を受けず、
自分で立てた規範に従い行動すること。
そしてそれは、今の自立心(自律も含む)の強い傾向に
つながっていると思います。
※生まれながらの気質も影響しているはずです。
不安障害の克服前後で大きく変わったのは
「恐れ」の部分。
恐れという観点でみると
今では昔ほど恐れてはいません。
私のことをコントロールしようとする人に対しては、
自分が望まない限り、または、納得できない限り
「YES」と言わなければいい。
あるいは、「NO」と言えばいい。
相手がどんなに偉い人だとしても、
選択権は自分にあります。
※もちろん、100%という意味ではありません。
※私が社会不安障害だった頃は、
「NO」の意思表明をするのが今より苦手でした。
「NO」と言うことで起こりうる結果を
過大に悪く想定しては、それを恐れていました。
選択権(コントロール)が自分のところにあると、
あまり恐れる必要が無くなってきます。
もちろん、自分にはコントロールできないことも
いくらでもあります。
大事なのは、なるべく
「コントロールできること」に
意識を向けている状態であること。
「コントロールできないこと」に
心がとらわれていない状態であること。
※「受け入れる」「意識をずらす」「成り行きに任せる」など。
この部分を意識的に育てていったのが
私が不安障害を克服していくにあたっての
1つのキーポイントだったと思います。
※できることに意識を向けながら、
できることを少しずつ増やしていくことで
恐れが減って、不安も減っていく、という考え方です。
これは、「頼りたい」傾向が優位の人にも
当てはめることができます。
「いつまでもずっと、頼り続けていたい」けれど……
そうできない場合はそれを(少しずつでも)受け入れて、
できることに意識を向けていく。
それらの過程で、いろいろな感情が出てくると思います。
そしてその感情の一つ一つに
大事な意味が込められています。
そういった感情の一つ一つを
感じながら受け入れながら表現していく。
そうすることによって
滞っていたものを少しずつ、解放していく。
不安障害専門カウンセラーとして
しっかり寄り添っていきたい部分です。
「頼りたい」傾向と「自律していたい」傾向のバランス。
どちらの傾向が、どのくらい強いかをじっくり考えてみることで、
自分が何に恐れているのかなど、
見えてくるものがあるかもしれません。
ピンときた方は、よろしければ取り組んでみてください。
※考えながら辛くなってきた場合は、無理しないでくださいね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!