精神科医の藤本修先生の本、
『精神科のヒミツ』を読みました。
今日は、その本の簡単な紹介と、
「心療内科の看板を上げる精神科」
というテーマについて、書いていきます。
『精神科のヒミツ』
ヒミツという言葉に目を引かれますが、
内容はあおり的なものではなくて
いたって真面目に書かれています。
心療内科・神経内科・精神科の現状について、
診断について、診断書にまつわる問題について、
薬についてなど、
外部からは分かりにくいことも含めて解説されています。
カウンセラーの私としても、とても参考になる本で、
通院中のクライエントさんの話をより深く理解するために
役立つ内容でした。
ここから、「心療内科の看板を上げる精神科」
の内容に入ります。
最近では、患者さんや周囲の人たちからの
印象をよくするために、
実際には精神疾患の治療を行っているのに
心療内科の看板を上げているところが多いと聞きます。
本書でも、そのことについて取り上げられていました。
ここで注意が必要なのは、心療内科を標榜しているのに、心身症を診察できない医師がほとんどであるということです。
●藤本修著『精神科のヒミツ』(中央公論新社/2014/P31)より引用
※標榜(ひょうぼう):医師が広告などに、
診療科の名称・分類(精神科、心療内科など)を示すこと。
※心身症:発症や経過に心理的・社会的因子が
密接に関係している身体疾患のこと。
心療内科だからといって、
心身症の診察・治療ができるとは限らないのですね。
カウンセリングだけでは対応し切れないケースにおいて、
クライエントさんの身体症状が強いからといって
安易に心療内科をお勧めすると
的外れになってしまうこともありそうですね。
気をつけなくては、と思いました。
なお、本書によると
大学病院では、心身医学・精神医学という学問に沿って
心療内科・精神科という風に標榜されているとのことです。
(看板と中身が一致しているという意味です)
なので、心身症の場合は
大学病院の心療内科をお勧めするのが
よさそうですね。
なるほど、勉強になりました。
『精神科のヒミツ』には、他にも
「良医を見つける方法」や
「精神科医と上手に付き合う10箇条」なども載っています。
参考になりますので、興味のある方は
読んでみてください。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!