「てんかん」のことがよくわかる本 ~てんかんのタイプ・症状の複雑さ

東北大学教授の中里信和先生監修の本、
『「てんかん」のことがよくわかる本』を読みました。

「てんかん」とは、脳が突然過剰な興奮状態になり、
様々な症状を引き起こす病気です。

 

本書には、そのてんかんの多種多様なタイプ・症状が、
イラスト付き分かりやすくまとめられています。

また、てんかん発作を起こしたとき、
周囲の人がどのように理解し対処すればいいのかも解説されていますので、
その点が特に参考になりました。

 

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てんかんは、以下の4つのグループ(類型)に
大きく分けることができます。

 

①症候性局在関連てんかん(症候性部分てんかん)

年齢を問わず発症。病変の位置により症状は異なる。

 

②てんかん性脳症

発達の障害を伴いやすい。発作がひんぱんで、
部分発作も全般発作もみられる場合が多い。

 

③特発性局在関連てんかん(特発性部分てんかん)

はっきりとした病変はないものの、部分発作がみられ、
特徴的な脳波異常を示す。

 

④特発性全般てんかん

小児期~思春期に発症。欠神発作、ミオクロニー発作、
強直間代発作を起こすてんかん。

●中里信和監修『「てんかん」のことがよくわかる本』
(講談社/2015/P34-35)より抜粋・引用

 

※症候性てんかん:脳内に何らかの障害や傷のあるタイプ。

※特発性てんかん:脳内に明らかな病変の見られないタイプ。

 

※部分発作:脳の特定の部位に異常放電が起こる発作。

※全般発作:脳全体に異常放電が広がる発作。

 

※欠神発作:突然意識を失い、全ての動きが止まってしまう発作。
すぐに回復する。

※ミオクロニー発作:起きているときに、両手あるいは両足が
一瞬ピクッと動く発作。

※強直間代発作:意識を失うと同時に全身をこわばらせ、
次第に全身がガクガク震える間代発作に移行していく発作。

 

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上記4つのグループ(類型)それぞれに、
多くの種類のてんかん症候群が分類されています。

(例)「②てんかん性脳症」の場合:
ウエスト症候群、レンノックス-ガストー症候群、早期ミオクロニー脳症……など

 

そして、それに加えて
「症状が似ているけれどてんかんではない発作」も数種存在しています。

その中には、心の悩みが原因となる
「心因性非てんかん性発作」も含まれます。

 

私はどちらかといえば、その心因性の発作について学びたくて
本書を読んだわけですが、たとえ心因性の発作だとしても
私が勝手にそうだと判断することはできません。

患者さんを検査して診断するのは医師の仕事。

ただでさえ診断が難しいのに、
診断の資格のないカウンセラーという職業の私が
勝手に判断したりするのはご法度なことです。

 

本書を読んで、改めててんかんのタイプ・症状の複雑さに
触れることができました。

「もしクライエントさんが、カウンセリング中に発作を起こしたら……」

そういったことも想定しつつ、しっかり学んで備えておきます。

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『「てんかん」のことがよくわかる本』は、
てんかんと診断された方やご家族など周囲の方にオススメしたい
「複雑なものが分かりやすくまとめられた本」です。

 

最後の章「てんかんがあっても大丈夫!」には、
勇気付けられると思います。

就園、就学、就労、出産などに取り組むときのポイントが
解説されています。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!