今日は、岡田尊司先生の本、
『シック・マザー』の紹介と、
読んだ感想などについて書いていきます。
シック・マザーというタイトルには、
何だかドキッとさせられます。
本書で言うシック・マザーとは、うつ病、双極性障害、適応障害、
境界性パーソナリティ障害、アルコール依存症などの
精神疾患を抱えている母親のことです。
母親の、うつ状態や気分の不安定さなどの症状は、
子どもにマイナスの影響を及ぼします。
本書では、シック・マザーが子どもに及ぼす影響と、
シック・マザーが抱える精神疾患などについて、
詳しく解説されています。
シック・マザーというタイトルに誤解して欲しくないので、
ここで著者の言葉を引用しますね。
母親のうつをはじめとした病気が、子どもにさまざまな問題を引き起こすという事実を述べるのは、母親を責めるためではない。
母親自身も弱り、苦しんでいるのである。
母親も助けを必要としているのである。
問題の原因は病気や障害であって、母親ではないのだ。
その点を混同することが、さらに不幸を生んできた。
●岡田尊司著『シック・マザー』(筑摩選書/2011/P30)より引用
母親を責めるためではないんですよ。
母親の子どもに与える影響は、とても大きいので
どうしてもクローズアップされてしまいますが、
問題の原因は母親ではなくて、あくまで病気や障害です。
このことを忘れてはいけないですね。
それに、下記のようなケースもあります。
母親がうつになるという場合、必ずしも母親が問題を抱えているということではない。
例えば、父親がうつになって仕事ができなくなり、家計を維持するために慣れない仕事で無理をした母親がうつや不安障害になるという場合もある。
あるいは、父親の飲酒癖やDV(配偶者間暴力)がひどくて、母親がうつになっているというケースも少なくない。
また、子どもがいじめから不登校になり、その結果、母親がうつになるという場合も多い。
●岡田尊司著『シック・マザー』(筑摩選書/2011/P176)より引用
様々な原因が、考えられますね。
いずれにしても、母親(クライエントさん)を責めたりせずに、
しっかり話を聴いて、辛い感情を受け止めて、共感していきたいですね。
クライエントさんが、前向きに子育てに取り組んでいけるように、
援助していけたらと思います。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!