今日は、前回の記事に引き続き
書籍『ロールプレイによるカウンセリング訓練のかんどころ』
より、内容を取り上げます。
今日の記事では、あくまで私の考え方を書きますね。
人それぞれ色々な考え方がありますが、
その中の1つです。
どれが正しいということでは、ありません。
早速ですが、氏原先生の重みのあるコメントを引用します。
うん。一緒に考えてゆくということはとても大事だね。
こっちが高みの立場から、専門的なことを言わなければならないと思うと、たいていの場合うまくいかない。
●氏原寛、藤田博康著『ロールプレイによるカウンセリング訓練のかんどころ』
(創元社/2014/P76)より引用
これ、本当に大事なことだと思います。
カウンセラーには、
心理学や精神医学を深く学び、実戦経験も積んでくると
はまりやすくなる落とし穴があります。
それは、相手のことを実際以上に理解できたつもりになったり、
頼まれてもいないのに助言や指導をしたくなったり
という落とし穴です。
※理解できたつもり:自分の描いている型(類型)に
クライエントさんを思い込みで当てはめてしまう。
自分の準拠枠(価値観など)に基づいた分析・解釈こそが
正しいと思い込んでしまう。
これにはかなりの割合で、
カウンセラーの欲求の充足のみに終わってしまう
という危険が伴います。
クライエントさんにとって役に立たないばかりか、
クライエントさんを傷つけてしまうことにもつながります。
クライエントさんの立場からすると、
お金を払ってカウンセリングを受けたのに、
分かってもらえず、今ひとつピンと来ない分析をされた上に
上から目線で「大きなお世話」な助言をされただけで終わった。
残ったのは、「なんじゃこりゃ?」というモヤモヤ感や
失望、怒り、悲しみ、そして後悔だけ……。
そんなケースになりかねないと思います。
※この場合でも、カウンセラーは
「いい仕事ができた」と思っていることが多い。
大事なのは、氏原先生の仰るとおり
「一緒に考えてゆく」こと。
私自身、気をつけていかねばと思います。
以前読んだジェリー・ミンチントン氏の本
『うまくいっている人の考え方 完全版』に
こんな記述がありました。
他人にとって何がいちばんいいかを、当の本人よりよく知っていると信じ込んでいる人がいる。
こういう人は自分のほうが頭がよく道徳的で、自分の価値観が他人の価値観よりも優れていると確信している。
こういう人は自分の考え方に他人がどれだけ迷惑していようと気にかけない。
また、他人の人権を踏みにじっていても気がつかない。
こういう人が唯一関心を持っていることは、自分の考え方を他人に押しつけることでしかないのだ。
●ジェリー・ミンチントン著『うまくいっている人の考え方 完全版』
(ディスカバー携書/2013/P114)より引用
「自分の価値観が他人の価値観よりも優れていると確信している」
これは本当に大きな間違いで、
自分の価値観は多様性の世界の中の
ただの1つに過ぎないということを忘れてはいけないと思います。
例えば、クライエントさんが今まで取り組んできたこと。
それに対して
「そんなことは意味がないから止めなさい。これからは、こうしなさい」
と、自分の価値観を上から押し付けるのではなくて……
※こういう事例は、ときどき耳にします。
クライエントさんが今まで取り組んできたことを
共感的に支持しながら、それをなるべく活かす方向で
「一緒に考えてゆく」
※「指導・教育」ではなくて、「提案」し「一緒に考えてゆく」形
そんな形で、私はやっていきたいと強く思っています。
長文になりました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
今日の考え方は、あくまで私の考え方です。
分析・解釈・指導・教育こそが大事という方もおられます。
人それぞれ、色々な考え方があっていいと思います。
その点、ご理解ください。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!