最近、『思春期病棟の少女たち』という本を読みました。
今日は、その本の紹介と、読んだ感想などについて書いていきます。
『思春期病棟の少女たち』の著者は
スザンナ・ケイセンさんというアメリカの方で、
本書では自らの病院(精神科)での入院体験を綴っています。
入院時の著者の年齢は、18歳。
診断名は、今で言う「境界性パーソナリティ障害」とされています。
入院先の病院では、うつ病、統合失調症、境界性パーソナリティ障害など、
症状の違うもの同士(全て10~20代の女性)が
コミュニケーションを取り合える形となっていたようです。
(緊急時は別として)
それぞれの患者が、叫んだり、暴れたりなど
様々な行動化を起こしています。
(時には、ケンカも)
けれども、それぞれがお互いの症状や事情の違いを理解し合っていて、
心はいつも、どこかでつながっている。
私は外にいるし、文字を通して読んでいるのに過ぎないのですが、
患者同士の関係の中に、何か温かいものを感じました。
(”品のいい” 翻訳の影響もあるかもしれません)
実際は、本の内容以上に凄まじい出来事や、
感情の大きな爆発もあったのだと思いますが……
ああ、みんな、ありのままの自分をさらけ出している。
(”コントロール外” と言ったほうが正しい局面も)
そして、ありのままの姿の「仲間」を、受け入れ合っている。
それはきっと、彼女たちが子どもの頃から今(入院当時)まで
欲しくても手に入らなかったもの。
彼女たちそれぞれが、自分の中に生まれつつある
生き生きとしたものを拾い集めながら、
「生き直しの過程」に身を置いているように、私には思えました。
本書には、著者たちが退院して
新しい生活に入った後の様子まで描かれています。
(退院した者同士、連絡を取り合ったり、会いに行ったり……)
そういう期待を持って読んだわけではないのですが、
不思議な微笑ましさが感じられる一冊でした。
それはきっと、彼女たちがお互いの違いを受容し、
客観視できていたからかもしれません。
(巻き込まれていないから、私も安心して読んでいられたのかな)
いい意味で、どことなく、
お互いの違いを楽しんでいるようにも感じられました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!