カウンセラーは、精神科医のように
診断や薬の処方を行うことはできません。
けれども、心の専門家を名乗るからには
心の病の各種症状や治療法の知識はもちろんのこと
精神科の薬の知識も、持っていることが必要だと思います。
私がこれまで、何人もの服薬中の方のお話を
聴いてきた中で分かったのは、
皆さん薬について、とても詳しいということ。
そして、「薬の話もしっかり理解してもらえるんだ」と
クライエントさんに感じていただくことが、
信頼関係の構築に役立つということです。
逆に理解できないと、
「この人に話をしても無駄」と判断されかねません。
そうなると、面接の障害になります。
いずれにしても、薬の知識をしっかり持っていることが
「聴く」ことの質を高めることにつながりますので、
薬についての勉強も大事です。
しっかり勉強を続けていこうと思います。
精神科の薬の関連書は、いろいろ販売されていますが
作用のメカニズムや選択の方法(アルゴリズム)などの
科学的データを中心に解説されているものが多いです。
もちろん、私もそういう部分をベースに学んでいるのですが、
それだけでは十分ではないということも実感しています。
なぜなら、実際の面接場面で話を聴かせていただくクライエントさんは
実体験を通して話をされるからです。
科学的なデータうんぬんではなくて、
今・ここにある日常での、血の通った話が展開されるわけです。
「データだけではなくて、もっと感覚的な部分も学びたい」
そういう思いが、面接を重ねるごとに強くなりました。
そんなとき、ちょうど出会ったのがこの本。
『精神科薬物治療を語ろう 精神科医からみた官能的評価』です。
この本には、神田橋條治先生を含めた11人の精神科医が
集まって行われた、ワークショップの模様が収録されています。
テーマは、「薬物の官能的評価」。
薬物の「実際に使ってみなければ分からない」という部分を取り上げ、
それぞれの先生の思うところ、感じるところを
語り合っておられます。(症例検討2件、各薬の評価19件)
神田橋先生の切れ味鋭いコメントに圧倒されながらも
私はどんどん引き込まれていきました。
ここから、本の内容をピックアップして紹介したいと思っていたのですが、
長くなってしまったので、次回にします。m(_ _)m
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!