斎藤環先生の本、
『「ひきこもり」救出マニュアル<実践編>』
を読みました。
この本は、前回の記事で紹介した
同タイトル<理論編>の続編です。
主に、ひきこもりの方のご家族に向けて書かれた本で、
どのように本人と関わっていけばいいのかの
ヒントが具体的に書かれていました。
<理論編>と合わせてご家族の方に読んでいただけると、
とても役に立つ本だと思います。
さて、本書を読んで印象的だった部分の一つを、
ここで紹介します。
私の考えでは「何も欲しくない、いらない」と言いはじめるのは、非常に危険な徴候です。
ひきこもり生活の長期化とともに、欲望の衰えが進んでいる可能性が高いからです。
●斎藤環著『「ひきこもり」救出マニュアル<実践編>』
(ちくま文庫/2014/P173)
「欲望の著しい低下が、ひきこもり生活の長期化をまねく」
確かに、本人が「このままではいけない」
「もっとやりたいことがあるんだ」と思わずに、
「もうどうでもいい」「ずっとこのままでいい」
と心底思うようになると、なかなかひきこもり生活から
抜け出せなくなってしまいますよね。
不安障害の克服と同じように、ひきこもりの場合でも、
克服に向けての推進力となるような
欲望や意欲は必要になりますね。
何かを変えよう、成し遂げようとするときには、
「まず、心で思い、望むこと」が
とても大事になってくると思います。
本書では、そのような欲望と意欲を低下させないように、
ご家族の方が本人のやりたいこと(趣味やインターネットなど)を
支持することを推奨しています。
もちろん、おこずかいを渡したり、
費用を援助したりするときには、
本人と話し合ってルールをきちんと決めた上で支持します。
※インターネットの接続時間などについても、
本人と話し合ってルールを決めます。
その支持したり、話し合ったりすることが、
親子間のコミュニケーションを深めていくことにも
つながりますよね。
※親子間のコミュニケーションを深めることや、
夫婦間のコミュニケーションを深めることも、
ひきこもりを改善するためにはとても大事なことです。
本書には、「経済的にどう支えるか」という点も含めて、
具体的に書かれていますので、
現在お悩みのご家族の方は、ぜひ読んでみてください。
「家庭内暴力」のある場合についての対処法なども
書いてありますよ。
ひきこもりの方の支援を
数多くこなされている先生の本ですので、
支援者側の私としましても、とても参考になりました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!