加害者は変われるか? ~被害者意識に満ちた加害者

信田さよ子先生の本、
加害者は変われるか? DVと虐待をみつめながら
を、最近読みました。

 

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信田先生は、DVの加害者・被害者の両方と
長年関わってきておられる、
この分野のベテランの先生です。

『加害者は変われるか? DVと虐待をみつめながら』
には、虐待・DV・性犯罪の事例の数々と、
それらに対する信田先生の考察が載せられています。

 

★祖父に仏壇のまんじゅうを盗んだ犯人にされ、
「根性を叩きなおしてやる」と
庭の柿の木に縄で吊るされたマサルくん。

吊るされたまま、亡くなってしまった……。

 

★妻がテレビのスイッチを切ったことに腹を立て、
食卓にあるものをぶちまけて、
怒鳴りながら食器やリモコンを破壊し続ける夫……。

 

★阪神淡路大震災時の瓦礫でいっぱいの街で
レイプされて自殺した少女……。

 

読みながら、生々しい現実を突きつけられて
その理不尽さに正直うんざりしました。

 

さんざん妻や娘に暴力や性暴力を働いておいて
「全てあいつが悪いんですよ」
「自分の方が被害者なんです」
とあっけらかんと言い切る加害者に対して、

私は寄り添って話を聴くことができるであろうか?

 

暴力を受け、泣き叫ぶ被害者の姿がちらつく中で、
聴くふりはできても、自己一致した状態で
加害者に寄り添うことは難しいのではないか?

 

話を聴きながらも、
心は被害者の立場に立ってしまいそうで……。

(正直、そうありたいという気持ちがある……)

 

『加害者は変われるか? DVと虐待をみつめながら』

DVや虐待の現場に介入したり、
更生プログラムに参画したり、
加害者の話を聴いたりするのは私の専門外とはいえ
深く考えさせられた一冊でした。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!