精神科薬物治療を語ろう ~ ルボックス vs パキシル

今回は、前回の記事で予告した通り
精神科薬物治療を語ろう 精神科医からみた官能的評価
という本の内容を採り上げながら書いていきます。

 

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社会不安障害(SAD)の基礎薬としては、
抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が
一般的に用いられています。

このことは、基礎的知識なので、
ある程度勉強されている方にとっては周知のことだと思います。

また、多くの薬物治療中の方にとっては、
SSRIは、ルボックスやパキシルなどの名称で
お馴染みになっていることと思います。

 

一般的な薬に関する書籍には、
大まかな科学的データしか載っていないことが多いです。

例えば、SSRIの有効性は解説されていても、
同じSSRI同士の違い(例えば、ルボックスとパキシル)まで
書かれている本は、よほどの専門書(医学書)でない限り
見つけにくいと思われます。

 

私自身、SSRI同士の違いがピンと来なくて
あいまいになっていたのですが、
『精神科薬物治療を語ろう 精神科医からみた官能的評価』に、
知りたかった内容が、バッチリ書いてありました。

 

ルボックス、デプロメール(一般名:フルボキサミン)についての記述から
3点抜粋・引用します。

 

・パキシルほど効かないが、副作用も少ない。(小川)

・パキシルに比べると効果を感じにくい。最近はSSRIとしてはパキシルを先に使用するため、出番が少ない。(橋本)

・うつ病の第一選択としては用いないが、強迫性障害、または何かしらの強迫症状を有するときに用いる。(藤田)

●神田橋條治・兼本浩祐・熊木徹夫編
『精神科薬物治療を語ろう 精神科医からみた官能的評価』
(日本評論社/2007/P162)より引用

 

こういうのが知りたかったのです。

科学的データだけでは見えてこなかった部分が
イメージしやすくなりました。

勉強中の身としては、
精神科の先生方が実践を通して身に付けられた官能的(感覚的)評価こそ
知りたかったことなので、本当にありがたいです。

 

上記引用部分をみると、
パキシルよりもルボックスの方がマイルドで、
副作用も少ない傾向のあることが読み取れます。

なるほど。そうだったのですね。

勉強になります。

 

ただし、これはあくまで官能的評価であって、
精神科の先生方の感じておられることは、それぞれ違います。

だから、もしあなたが服薬中だとしても
「そういう見方もある」という程度の理解に止めておいてくださいね。

結局のところ、どの薬が合うのかについては、
お一人お一人違いますので、あくまで参考程度にしてください。

 

『精神科薬物治療を語ろう 精神科医からみた官能的評価』

2つの症例と19種類の薬について、
先生方が熱く語り合っておられます。

私にとっては、とても勉強になる本でした。(^-^)

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!