精神療法面接のコツ ~抱え環境の育成について

ブログの更新が滞り気味の今日この頃ですが……

神田橋條治先生の本『精神療法面接のコツ』を
読んでいるところです。

 


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神田橋先生はカリスマ級の有名な精神科医で、
書籍『精神療法面接のコツ』も名著とされています。

 

神田橋先生の本を読むといつも感じることは……

精神療法というテーマの隅から隅まで思考・考察が行き届いていて、
凄さを感じずにはいられない!ということ。

一般的なレベルを超越して細かく分解された解説を、
神田橋先生ならではの言葉と図解で展開されています。

 

※神田橋先生ご自身も、本書の中で
「ゴチャゴチャ考えるのを好むという、幼児期いらいの習癖の発揮」
(P81)と書いておられます。

 

読む側の私としましては、1ページ読み進めるたびに
自分と照らし合わせながら、多くを考えさせられます。

それはまるで、自分1人(今の私)では到底行き届かない領域に、
神田橋先生に力を貸していただきながら入り込んでいくイメージ。

読みながら、私の思考もどんどん活性化されていきます。

 

私が時々、神田橋先生の本を読みたくなるのは、
その活性化を味わいたくなるからだと思います。

 

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今の時点で『精神療法面接のコツ』を60%程度読み終えたところです。

印象的な内容ばかりなのですが、1つだけ紹介しますね。

 

図1に示したように、抱え環境②は、自然治癒力とそれを抱える主体①が活躍するための培地であるだけでなく、次章で述べる治療操作③が引き起こす揺さぶり、の受け皿である。

したがって、抱え環境なしに治療操作をおこなうと、外傷体験を生む。

まず抱え環境の育成を治療初期の焦点とするのが、定石であると心得て欲しい。

●神田橋條治著『精神療法面接のコツ』
(岩崎学術出版社/1990/P83)より引用

※ここでは、「図1」のことは気にしないでくださいm(_ _)m

 

上でいう「抱え環境」とは、クライエントさんを取り巻き、
クライエントさんの活動を助ける環境のこと。

ここでは、専門家とクライエントさんの関係性を主に示しています。

 

「主体」とは、クライエントさんのこと。

「治療操作」とは、精神療法(心理療法)のこと。

 

カウンセリングのプロセスとして、
「まずはリレーション作り(信頼関係の形成)から」
というのはセオリーですが……

「抱え環境なしに治療操作をおこなうと、外傷体験を生む」
という言葉に、改めてハッとさせられました。

 

本書では、神田橋先生流のお言葉で、
抱え環境の育成について、より細密に解説されています。

たくさんの解説の中から1ヶ所引用すると……

 

この抱え環境は、決して治療者が一方的にしつらえるものではない。

治療者と、患者の自助機能①とが意識下で共同作業することによって、作られるものである。

そしてこの抱え環境にくるまれて、自助機能①は自然治癒力を支えるのである。

●神田橋條治著『精神療法面接のコツ』
(岩崎学術出版社/1990/P83)より引用

 

クライエントさんの自助機能と自然治癒力を活性化できるような
支援の仕方を大切にしていきたいと思いました。

 

「抱え環境にくるまれて」

この部分、大事ですね。

カウンセラーとクライエントさんという枠組みの中で、
いかにして適切であり有効に働く「抱え環境」を作り上げていくか。

深いテーマですが、重要なベースの部分になりますので、
真剣に取り組んでいきます。

 

今日の内容は以上としますが……

カリスマ級の先生の文章を、凡人の私が引用してあれこれ語ることで、
解釈のずれ(私の力不足による)が発生している可能性があります。

その点、ご了承ください。

 


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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!