対人関係療法でなおす 双極性障害 ~社会リズムの重要性

水島広子先生の本、
対人関係療法でなおす 双極性障害』を読みました。

本書によると、双極性障害の症状には
概日リズムとの関連が強く指摘されているそうです。

※概日リズム=約1日の周期で繰り返す生理的な変動。(体内時計)

 

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特に病気にかかっていない人でも、健康を維持する上で、
生活リズムを規則正しくすることにはメリットがありますが、
双極性障害のある場合は
より大きなメリットが得られるということです。

言い換えれば、生活リズムの変化によって
心身の調子を崩しやすい面があるということでもあります。

 

特に、「規則正しく、よく眠ること」の優先順位が高いとのこと。

その他にも、刺激の強さなどの因子を含めて
生活リズムを安定させることが、
病気と上手く付き合っていくためには重要になってきます。

 

『対人関係療法でなおす 双極性障害』には、
通常の対人関係療法の解説に加えて、
生活リズム(社会リズム)を整えるための
社会リズム療法というアプローチについても
詳しく解説されています。

 

社会リズム療法では、
SRM(ソーシャル・リズム・メトリック)と呼ばれる表に
「起床」「朝食」「人との初めての接触」……
(1日のスケジュールを順番に記入)などの時刻と、
人から受けた刺激の強さを記入していき、
1日の最後には、その日の気分を記録します。

 

そうすることによって、誰と何をしてどんな刺激を受けたことが
生活リズム(社会リズム)の乱れにつながっているか、
そして、気分の変動につながっているかが見えやすくなります。

つまり、対策を取りやすくなります。

 

社会リズム療法で生活リズム(社会リズム)を安定させて、
対人関係療法で対人関係の問題の解決に取り組み、
自分を支えてくれる周囲との関係をよくしていく。

2つの療法はとても相性がよく、
相乗効果も見込めるそうです。

 

社会リズム療法は、
認知行動療法と組み合わせてもよさそうですね。

実際に、認知行動療法においても、
「週間活動記録表」というSRMに似た表を作成しながら
生活リズムを整えて、なるべく気分よく過ごせるようになるための
取り組みをしたりしますので、
その発展形として活用できると思います。

※双極性障害(特に、Ⅰ型)の場合は、
薬による治療や再発予防も大事です。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!